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公正取引委員会/ドン・キホーテに勧告

2005年03月10日/未分類

公正取引委員会は、(株)ドン・キホーテに対し、独占禁止法の規定に違反するものとして、下記の勧告を行った。

違反行為の概要
(1)ドン・キホーテは、自社の店舗の新規オープンに際し、自社の販売業務のための商品の陳列等の作業を行わせるために、その取引上の地位が自社に対して劣っている自社と継続的な取引関係にある身の回り品、日用雑貨品、家庭用電気製品、食料品等の納入業者に対し、その従業員等を派遣させている。
(2)ドン・キホーテは、自社の棚卸し、棚替え等のための作業を行わせるために、納入取引関係を利用して、自社と継続的な取引関係にある前記納入業者に対し、その従業員等を派遣させている。
(3)ドン・キホーテは、負担額及びその算出根拠、使途等について、あらかじめ明確にすることなく、新規オープンした店舗に対する協賛金として、納入取引関係を利用して、自社と継続的な取引関係にある前記納入業者に対し、当該店舗における納入業者の初回納入金額に一定率を乗じて算出した額、納入業者の一定期間における納入金額の1パーセントに相当する額等の金銭をさかのぼって提供させていた。

排除措置の概要
(1)ドン・キホーテは、前記2(1)と(2)の行為を取りやめること。
(2)ドン・キホーテは、前記2(3)の行為を取りやめている旨を確認することを取締役会において決議すること。
(3)ドン・キホーテは、前記3(1)と(2)に基づいて採った措置及び今後、前記2の行為と同様の行為を行わない旨を自社と継続的な取引関係にある前記納入業者に通知するとともに、自社の従業員に周知徹底すること。
(4)ドン・キホーテは、今後、前記2の行為と同様の行為を行わないこと。
(5)ドン・キホーテは、今後、前記2の行為と同様の行為を行うことがないよう、独占禁止法の遵守に関しての行動指針を作成し、当該行動指針に基づく仕入担当者に対する独占禁止法に関する研修及び法務担当者による定期的な監査を行うために必要な措置を講じること。

平成17年(勧)第2号
勧告書
東京都江戸川区北葛西四丁目14番1号
株式会社ドン・キホーテ
同代表者代表取締役安田隆夫
公正取引委員会は、上記の者に対し、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)第48条第1項及び第2項の規定に基づき、次のとおり勧告する。

主文
株式会社ドン・キホーテは、自社の店舗の新規オープンに際し、自社の販売業務のための商品の陳列等の作業を行わせるために、その取引上の地位が自社に対して劣っている自社と継続的な取引関係にある身の回り品、日用雑貨品、家庭用電気製品、食料品等の納入業者に対し、その従業員等を派遣するよう要請している行為を取りやめること。

株式会社ドン・キホーテは、自社の棚卸し、棚替え等のための作業を行わせるために、納入取引関係を利用して、自社と継続的な取引関係にある前記納入業者に対し、その従業員等を派遣するよう要請している行為を取りやめること。

株式会社ドン・キホーテは、負担額及びその算出根拠、使途等について、あらかじめ明確にすることなく、新規オープンした店舗に対する協賛金として、納入取引関係を利用して、自社と継続的な取引関係にある前記納入業者に対し、当該店舗における納入業者の初回納入金額に一定率を乗じて算出した額、納入業者の一定期間における納入金額の1パーセントに相当する額等の金銭をさかのぼって提供するよう要請する行為を取りやめている旨を確認することを取締役会において決議すること。

株式会社ドン・キホーテは、次の事項を自社と継続的な取引関係にある前記納入業者に通知するとともに、自社の従業員に周知徹底すること。この通知及び周知徹底の方法については、あらかじめ、当委員会の承認を受けること。

(1)前3項に基づいて採った措置
(2)今後、前3項の行為と同様の行為を行わない旨
株式会社ドン・キホーテは、今後、第1項ないし第3項の行為と同様の行為を行わないこと。
株式会社ドン・キホーテは、今後、第1項ないし第3項の行為と同様の行為を行うことがないよう、独占禁止法の遵守に関しての行動指針を作成し、当該行動指針に基づく仕入担当者に対する独占禁止法に関する研修及び法務担当者による定期的な監査を行うために必要な措置を講じること。

この措置の内容については、あらかじめ、当委員会の承認を受けること。
株式会社ドン・キホーテは、第1項ないし第4項及び第6項に基づいて採った措置を速やかに当委員会に報告すること。

理由
第1事実
(1)株式会社ドン・キホーテ(以下「ドン・キホーテ」という。)は、肩書地に本店を置き、身の回り品、日用雑貨品、家庭用電気製品、食料品等の小売業を営む、いわゆる総合ディスカウントストア業者であって、平成16年11月末日現在、北海道、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、福岡県、熊本県及び大分県の区域において、「ドン・キホーテ」、「パウ」及び「ピカソ」と称する小売店舗を101店舗展開しているところ、これらの店舗のうち、東京都特別区及び政令指定都市以外の区域内に所在する48店舗中19店舗の売場面積は1、500平方メートル以上である。

(2)ドン・キホーテは、我が国の総合ディスカウントストア業者の中で最大手の業者である。

(3)ドン・キホーテと継続的な取引関係にある身の回り品、日用雑貨品、家庭用電気製品、食料品等の納入業者(以下「納入業者」という。)は、約1、500社であるところ、納入業者にとって、ドン・キホーテは重要な取引先であり、納入業者の多くは、ドン・キホーテとの納入取引の継続を強く望んでいる状況にある。このため、納入業者の多くは、ドン・キホーテとの納入取引を継続する上で、納入する商品の品質、納入価格等の取引条件とは別に、ドン・キホーテからの種々の要請に従わざるを得ない立場にあり、その取引上の地位はドン・キホーテに対して劣っている。

(4)ドン・キホーテは、前記101店舗の管理・運営を第一営業本部(以下「一営」という。)及び第二営業本部(以下「二営」という。)に分担させて行っており、その販売する商品については、主に、各営業本部又は各店舗の仕入担当者が納入業者との間で商談を行い、買取りを条件として仕入れている。

ドン・キホーテは、遅くとも平成15年ころ以降、自社の店舗の新規オープンに際し、自社の販売業務のための商品の陳列等の作業(以下「陳列等作業」という。)を納入業者に行わせることとし、あらかじめ納入業者との間でその従業員等を派遣する条件について具体的に合意することなく、納入業者との間の納入取引に影響を及ぼし得る仕入担当者(以下「カテゴリーリーダー等」という。)から、納入業者に対し、陳列等作業を行わせるためにその従業員等の派遣を受けることを必要とする店舗、日時等を連絡し、納入業者の負担で、その従業員等を派遣するよう要請している。

これらの要請を受けた納入業者の多くは、ドン・キホーテとの納入取引を継続して行う立場上、陳列等作業を行うためのものであるにもかかわらず、その要請に応じることを余儀なくされている。
例えば、ドン・キホーテは、平成15年8月ころから同16年11月ころまでの間に、33店舗の新規オープンに際し、当該店舗において陳列等作業を行わせるため、納入業者に対し、その従業員等を派遣するよう要請しており、納入業者に少なくとも延べ約5、200人の従業員等を派遣させ、使用している。

ドン・キホーテは、かねてから、半期ごとに実施する棚卸し及び必要に応じて実施している棚替え等に際し、自社の棚卸し、棚替え等の作業を納入業者に行わせることとし、あらかじめ納入業者との間でその従業員等を派遣する条件について具体的に合意することなく、カテゴリーリーダー等から、納入業者との間の納入取引関係を利用して、納入業者に対し、自社の棚卸し、棚替え等の作業を行わせるためにその従業員等の派遣を受けることを必要とする店舗、日時等を連絡し、納入業者の負担で、その従業員等を派遣するよう要請している。この際、納入業者の従業員等の派遣人員が前記作業に要する人員に満たない場合には、当該人員を充足するまで重ねて要請している。

これらの要請を受けた納入業者の多くは、ドン・キホーテとの納入取引を継続して行う立場上、棚卸し、棚替え等の作業を行うためのものであるにもかかわらず、その要請に応じることを余儀なくされている。

例えば、ドン・キホーテは、平成16年8月19日から同年11月11日までの間に実施した棚卸しに際し、97店舗において棚卸し作業を行わせるため、納入業者に対し、その従業員等を派遣するよう要請しており、納入業者に少なくとも延べ約1万4300人の従業員等を派遣させ、使用している。

また、ドン・キホーテは、平成15年7月ころから同16年12月ころまでの間に実施した棚替え等に際し、延べ200店舗において棚替え等の作業を行わせるため、納入業者に対し、その従業員等を派遣するよう要請しており、納入業者に少なくとも延べ約3、600人の従業員等を派遣させ、使用している。

ドン・キホーテは、負担額及びその算出根拠、使途等について、あらかじめ納入業者との間で明確にしていなかったにもかかわらず、平成15年7月から同16年6月までの一年間に新規オープンした店舗に対する協賛金として、平成16年5月ころから同年7月ころまでの間に、一営及び二営の各営業本部長の指示の下、カテゴリーリーダー等から、納入業者との間の納入取引関係を利用して、納入業者に対し、当該店舗における納入業者の初回納入金額に一定率を乗じて算出した額、前記期間等における納入業者の納入金額の1パーセントに相当する額等の金銭をさかのぼって提供するよう要請し、これらの要請を受けた納入業者の多くは、ドン・キホーテとの納入取引を継続して行う立場上、その要請に応じることを余儀なくされ、平成16年7月ころまでに、少なくとも、総額約2億9200万円を提供していた。

第2法令の適用
前記第1の1及び2の事実によれば、ドン・キホーテは、百貨店業における特定の不公正な取引方法(昭和29年公正取引委員会告示第7号。以下「百貨店特殊指定」という。)の備考第1項に規定する「百貨店業者」に該当するところ、その取引上の地位が自己に対して劣っている納入業者に対し、百貨店特殊指定の第6項ただし書に規定する場合に該当しないにもかかわらず自己の販売業務のためにその従業員等を派遣させて使用しているものであり、これは、百貨店特殊指定の第6項に該当し、また、前記第1の1、3及び4の事実によれば、ドン・キホーテは、自己の取引上の地位が納入業者に対して優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に、納入業者に対し、自社の棚卸し、棚替え等のためにその従業員等を派遣させて役務を提供させており、また、自己のために金銭を提供させていたものであり、これらは、不公正な取引方法(昭和57年公正取引委員会告示第15号)の第14項第2号に該当し、いずれも独占禁止法第19条の規定に違反するものである。

平成17年3月9日
公正取引委員会
委員長竹島一彦
委員小林惇
委員柴田愛子
委員三谷紘
委員山田昭雄

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