公正取引委員会は10月2日、丸全昭和運輸(株)に対し、下請代金支払遅延等防止法(下請法)違反で是正を勧告した。2005年11月から2006年10月までの間、下請代金に一定率を乗じた額を「値引き」させていたもので、不当な値引き額は下請業者101社に対し、総額5303万4888円を認定した。
同社では、公取委が調査を始めたことを受けて、4月2日に取締役会を開き、「今後、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じないこと」などを決議、6月22日付で減額分を下請業者に返還した。同社は下請運送業者として約1000社と取引があり、このうちおよそ1割に値引きさせていたことになる。
勧告では、今後、発注担当者に対する下請法の順守についての研修を行うなど、社内体制の整備のために必要な措置を講じ、社内、下請業者などに周知するよう求めている。
是正勧告を受けたことに対し、丸全昭和運輸では同日、「真摯に受けとめ、勧告に従い速やかに措置を講じ、改めて社員のコンプライアンス意識向上と、再発防止の徹底を図るとともに、下請法順守体制を充実させる」とする野口正剛社長のコメントを発表した。