(株)商船三井グループの船舶管理会社エム・オー・シップマネージメント(株)と(株)ジュオンは、停泊中の船舶の排気ガスを浄化する新技術の共同研究を行い、その試作機による第1回テストにおいて顕著な成果を得た。
排気ガスの粒子状物質(PM)の排出を軽減するため、エンジンに浄化システムを設置したもので、PM排出防止の抜本的対策として、排出の源であるディーゼルエンジン排気管内部に浄化システムを設置。
セラミックフィルターでガスを浄化する前に、間伐材から特殊方法で搾出(ジュオンが特許取得済)した樹木油を排気ガスに噴霧し、樹木油が触媒としてPMを包みこむことにより、フィルターへの付着率を高め、浄化効果を高める。
ことし2月5から6日の入渠時に、自動車船「BRAVERYACE」に試作機を設置しテストをした結果、本システムを装備することにより約4割のPM排出軽減効果を確認した。
船舶からの排気ガスのクリーン化は、環境保全対策における重要課題で、自動車船は大気汚染の問題のみならず排気ガスに含まれる煤分が船積み待ちの完成車に付着するとペイントダメージを起こす可能性があることから、対策の開発が急務であった。
同社は、顧客の貨物を汚さないようにするため種々の対策を講じてきたが、抜本的方策として排気ガスの源であるディーゼルエンジン排気管内部に浄化システムを設置するもの。
ことし4月から5月に予定されている同社自動車船の入渠時に、関係省庁、地方自治体、並びに環境関係の公式認定機関の立会いの下、公開実験を行う予定で、公開実験を経て、更にジュオンと改良を行い、自動車船に順次導入を検討していく予定。
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