NECと凸版印刷(株)は3月26日、上海第一百貨店の上海婦人用品商店B館（所在地：中国上海市）において、中国では初となるRFIDを活用した顧客管理システムの実証実験を開始した。
上海婦人用品商店B館は、中国最大の小売りグループである上海ヒャクレン百聯集団の百貨店部門となる上海第一百貨店に属しているデパートで、上海の最先端ファッション街にある当館を全面改装し「レディースファッション館」として、新装開店した。
この新店舗において、最新のIT技術を用いて高度な顧客サービスの実現を目指すCRMシステムの本格導入を検討しており、今回の実証実験はその一環として行うもの。
本実証実験は上海第一百貨店・NEC・凸版印刷に加え、エンタープライズソフトウェアベンダーである日本BEAシステムズ(株)、デジタルハーバー社とアパレル系総合プロデュ－ス会社である(株)J-STYLEの6社による共同実験であり、実験期間はことし6月末までの3ヶ月間を予定している。
実証実験の概要
・携帯ストラップ型のICタグを顧客（1万人）に配布
・ICタグに書き込まれた顧客識別用のIDデータを各店舗に設置されたリーダ端末で読み取り、その顧客の情報（過去の購買履歴や嗜好情報など）をデータベースから呼び出すと同時に、それらの情報を店員用のパソコンに表示する。
・各店舗において、パソコンに表示された情報をもとに、来店した顧客に応じて最適できめ細かな接客対応を行うとともに、ポイントサービスや購入量に応じた割引サービスなど様々な優待サービスを提供する。
・店舗運営者は蓄積されていく来店データ、購買データをもとに会員顧客の消費動向分析を行い、魅力的な店舗づくりに必要な情報として活用する。
・これらにより、顧客サービスレベルの向上を図ると同時に、効率的な店舗運営を実現する。
システム構成
・顧客配布用ICタグ1万枚（凸版印刷）
・店舗用のリーダ端末「RicaKids」及びデバイスアダプターソフトウェア（出店各店舗に設置）（凸版印刷）
・KIOSK端末（フロアやカフェに設置）
・店員用のパソコン（各出店店舗に設置）（NEC他）
・各種システムのサーバ（NEC）
・顧客管理システム（デジタルハーバー社）
・RFID管理用ミドルウェア「RFIDManager」（NEC）
・システム統合基盤ソフトウェア「WeblogicIntegrationServer」(BEA)
上海婦人用品商店B館では、本実験を通じて顧客の属性に応じたきめ細かな顧客管理や販売実績管理を行うとともに、RFIDという最新のIT技術をファッションとして取り入れたプロモーションを展開することで、新規顧客の開拓にもつなげていく考え。
