日産自動車(株)と(株)NTTデータは、RFIDタグを使用した金型管理システムを共同開発した。日産は、エンジンやサスペンション等のパワートレインの主要生産工場である横浜工場に同システムを導入し、金型管理精度の向上を図る。
同システムは、NTTデータがこれまで数多く構築してきたSCMソリューション実績に基づくノウハウをベースに提案したもので、金型に紐づく管理票に貼付したIDの読み取りを行う。
日産は同システムを利用し、従来は作業者の記憶や帳票により管理されていた金型の製作状況、所在、修繕履歴、使用実績等の情報を目に見える形で一元管理する。
同システムでは、管理票を重ねた状態でのタグの読み取りを可能とした「積層読み取り機能RFID」タグを採用し、製造業では世界初となるこのタグの採用により、金型在庫の管理精度向上と作業者への負担軽減を同時に実現した。
両社は、駆動部品の鍛造金型管理に導入した同システムの効果の実地検証を今後半年間で行う。また、同工場の他地区および他工場への展開を視野に入れ、工程管理や自動発注機能等への機能拡張も予定している。
日産の横浜工場では、同社がグローバルに展開する日産生産方式(NissanProductionWay:NPW)を採用しており、今回の金型管理システムの導入により、更なる品質、コスト、リードタイムの改善に取り組む。