三菱樹脂(株)と(株)NTTデータは、RFID付きリライタブルシートを利用し、製造現場における生産・物流の効率化の有効性を検証する実証実験を、2006年5月から実施する。
実験は、菱樹化工(株)で、RFIDシステムの構築で実績のあるNTTデータがシステム構築を担当し、RFID付きリライタブルシートを三菱樹脂が担当する。
基幹系システムと連携するこのシステムでは、繰り返し印字・消去が可能なリライタブルシートとRFIDを組み合わせることで、情報をリアルタイムに記録・管理できるとともに、RFIDに入力されている情報を目視で確認できるリライタブルシートを製造現場で活用することで、生産・物流等の情報の可視化と、簡便で正確なオペレーションによる生産・物流の効率化およびリサイクルによるコスト低減が期待される。
実証実験は、2006年5月から3ヶ月間で、各生産工程において生産された仕掛品にRFID付きリライタブルシートの現品管理票を使用する。
各工程間の仕掛品の数量や出荷日時をRFIDに記録するとともに、管理票上にも印字し、正確に把握するとともに、各工程でリライタブルシートに書き換えられた現品管理票の内容を生産現場の作業者が読むことにより、モノの所在と数量のリアルタイムな把握、正確なオペレーション、リサイクル利用による経済性などRFID付きリライタブルシートの有効性を検証する。
現品管理票は、製品出荷後、再度工程の初めに戻して、再利用する。
実証実験で期待する効果として、仕掛品の工程間の移動情報を正確に把握し現場での目視確認も出来ることから作業員による記録漏れや間違いをなくし、仕掛品の理論在庫と実棚の整合に要する稼働時間を削減することで業務工数の大幅改善を実現する。
月次の棚卸しに際し、データ管理が容易になり、確認作業を効率化することにより業務工数の大幅改善を実現する。
実験後に三菱樹脂では、実証実験の効果を確認し、他の生産工程への横展開を図り、菱樹化工社の全社的な効率化を推進する。
また、RFID付きリライタブルシートを活用したシステムを顧客へも提案し、社内のみならずサプライチェーン全体での採用についても検証を行う。
NTTデータは今回の実証実験を通じて生産現場におけるRFID付きリライタブルシートの有効性を検証して、「リライタブル電子カンバン情報システム」を製造業におけるユビキタスソリューションの一つとして提供していく。