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ガートナー/世界でRFID支出は2010年に30億ドル超予測

2005年12月21日/未分類

ガートナーは、市場におけるRFID導入の勢いは今後も続くとともに、RFIDの本来の価値が広く認知され、2006年後半および2007年にはRFID関連のハードウェアおよびソフトウェアに対する支出が伸びるとの予測を発表した。

2005年、世界全体のRFIDへの支出は前年比39%増の5億400万ドルとなる見込みで、その後も幅広い業種でビジネス価値に重点を置いた数多くの企業による導入が進み、2006年末には世界における新規ライセンスの売り上げが7億5,100万ドルに達し、2010年には世界全体のRFID支出が30億ドルを超えるとガートナーは予測している。

ガートナーのリサーチ・バイス・プレジデント、ジェフ・ウッズ(Jeff Woods)は、「例えば流通センターなどでバーコードが幅広く使われているからといって、RFIDも同じように広く導入が進むとはいえません。現在、数多くの企業が、バーコードでは対応できない場面でRFIDが発揮するビジネス価値を認識するようになってきており、これがRFIDの今後の成長を促す要因になってくるでしょう。メーカー側が革新的な技術を市場へ投入していくことで、2006年および2007年には消費財や小売業界だけでなく、新たなセグメントにおいても幅広くRFIDの導入が進むでしょう」と述べている。

ガートナーのアナリストは、RFIDタグを単なるバーコードの代わりと考えるべきではないと注意を促している。企業が個々のビジネス・プロセスに合わせてそれぞれに適切なデータ収集技術を適用することで、これら2つの技術は共存していくことになる。

「バーコードは、例えば倉庫での在庫管理のように、構造化と高度に設計されたビジネス・プロセスが整っている環境でのデータ収集に一日の長があり、この状況はおそらく今後5~7年は変わらないでしょう。これに対しRFIDタグは、小売業界や病院のように資産の動きが激しく、管理・統制が難しいようなビジネス・プロセスがいまだ構造化されていない環境、つまり、洗練されたビジネス・プロセス設計やコントロールが確立されていない環境を組織的に管理する上で高い効果を発揮します」
「RFID技術の多くは、企業のビジネス・プロセスが既存のビジネス・アプリケーションで管理されていない分野で使われるようになるでしょう。RFIDデータを既存のビジネス・アプリケーションへ『統合』したいというニーズとは裏腹に、実際にRFIDをビジネス・プロセスの中心へ据えるためには、企業は新たなアプリケーションを開発しなければならなくなるでしょう。ここに、ビジネス・プロセスの革新を実現する真の機会があります」

資産の追跡管理とは別に、RFIDの導入に伴って各業種ではそれぞれの業種に特化したアプリケーションが必要になるでしょう。これらのアプリケーションに、業種間にまたがる汎用性はありません。

各業種は互いにノウハウを吸収できる部分もありますが、このような各業種に特化したアプリケーションの開発によって、RFID導入のペースは業種ごとに大きく異なってくると考えられます。RFID普及の最も大きな機会が見込まれるのは小売り、航空宇宙、防衛などの分野です。

また医療、物流、製薬などの業種ではRFIDの導入が最も速く進むでしょう。

「医薬品の再輸入や偽造薬品への対策としてFDA(米国食品医薬品局)がRFIDタグに大きな興味を示していることから、製薬業界ではRFIDの利用が大きな話題になっています。実際に規制の動きが進めば、2007年前後にRFIDの大規模な導入が始まるでしょう」

サードパーティ・ロジスティクスと呼ばれる物流アウトソーシングを含む物流業界全体においてもRFID導入の動きは活発ですが、多くのRFID技術はまだ成熟したレベルに達しているとはいえません。これまでRFIDは港湾物流における安全管理の手段の1つとして導入が進められてきましたが、ガートナーのアナリストによれば、RFIDはこのような役割に最適な手段ではありません。

RFIDはデータ自動収集技術の1つであり、無線周波数を使ってRFIDタグとリーダ(読み取り装置)の間でデータを転送することによって、商品などの対象物の識別と追跡、位置特定を行うものです。

RFIDでは、タグが付けられた対象物とリーダ/スキャナとの間に物理的な観測や接触は必要ありません。

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