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村田機械、NEC/可視光通信技術の「次世代ロジスティクス・ソリューション」開発

2006年09月07日/IT・機器

村田機械(株)と日本電気(株)は、次世代のユビキタス技術として期待される可視光通信技術を活用した「次世代ロジスティクス・ソリューション」を開発し、2007年末までの商品化を目指して実証実験を開始した。

両社は2003年3月に「ロジスティクス・ソリューション分野」での業務提携を結んで以来、さまざまな共同研究や商品化を進めた。今回の可視光通信技術を用いた次世代ロジスティクス・ソリューションの開発および共同実証実験もその一環。

本ソリューションは、人の目に見える光である「可視光」が高速に点滅する間隔(周波数)を利用して情報を伝達する最新の通信技術を用いた位置認識システムと、RFID(による商品管理システムを組み合わせ、広い倉庫や配送センター内のピッキング作業者に対して、最適ルートをナビゲートして作業を効率化するもの。

物流業務に可視光通信技術を取り入れたシステムの開発・実験は、世界でも初めての試み。

可視光通信は、無線LANや精密機器が発する電波や金属の影響を受けずに、長距離通信や高速通信が可能であるため、倉庫や配送センターの既存通信環境や天井の高さ(通信距離)を考慮せずに利用することができる。

この可視光通信による位置認識システムは、高い精度で位置情報を得られ、広い作業空間の中で作業者や対象品の位置をピンポイントに特定しながら、効率的なピッキングルートを導くことのできるシステムを実現する。

現在、多くの倉庫や配送センターでは、広いフロアに膨大かつ多様な部品・商品が置かれているため、人手が必要な多品種小口分類のピッキング作業における効率化や誤出荷防止が課題となっている。

両社はこうした市場の動向を踏まえ、最新のハードウエアとIT/ネットワーク技術を融合した新ソリューションの開発・実証実験を開始した。

両社は現時点で、実証実験の成果として、倉庫や配送センター内におけるピッキングとアソート業務の生産性を、従来に比べて約30%から35%向上させることが可能と見込んでいる。

次世代ロジスティクス・ソリューションの概要
・ピッキング作業者が運搬するカートや作業者の着衣(カートを用いない場合)に、ID情報を可視光で発信する装置を装着し、天井に設置したカメラが受信。
この情報は位置情報管理システムに送信され、作業者の現在地を高精度に把握する。
作業者の位置情報は、在庫や作業工程などを管理するWMS(注4)に送信され、WMSがRFIDで管理されている在庫品の保管場所と作業者の位置をマッチングし、作業者に対象在庫までの最短ルートをナビゲートしながらピッキング指示を行う。
これにより、広大かつ膨大な在庫を保管する倉庫/配送センターにおいて、人手作業を伴うピッキング作業を大幅に効率化する。

・ピッキング作業者が、ヘッドマウントディスプレイとウェアラブルRFIDリーダーを装着。ヘッドマウントディスプレイにより最適ルートを誘導され、ウェアラブルRFIDリーダーによって自動検品し、音声によって完了報告を行う。ハンズフリーでピッキング作業を大幅に効率化する。

・カート、または着衣に設置したRFIDリーダー/ライターで収集したピッキング情報をSCEMやERPなどの情報システムに送信(無線LAN)することで、受発注・出荷・在庫情報管理など企業内ロジスティクス業務へのリアルタイム活用や会計処理の効率化などを実現。

問い合わせ
村田機械
L&A事業部事業統括室山下・杉山
電話0568-61-5771

NEC 関西支社
ネットワークソリューション営業部:岡山・平野
電話06-6945-3345
d_nwsl@kns.jp.nec.com

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