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富士通/UHF帯RFIDタグ100枚の移動一括書き込み実用化

2006年12月06日/IT・機器

富士通(株)、(株)富士通研究所、富士通フロンテック(株)は、UHF帯RFIDタグ100枚に一括して情報の書き込みを行う技術の開発に成功した。

この技術を活用することで、荷物の一括検品を行なう際に、各荷物に検品日時や配送先などの情報を直接持たせることが可能になり、いつでもどこでも、これらの情報を参照することができる。

富士通と富士通フロンテックは、これらの技術を搭載した、ハードウェア製品、ミドルウェア製品を2007年春より順次提供する。

富士通と富士通フロンテックは、2005年7月のUHF帯RFID関連製品「TagFront(タグフロント)」の販売開始以降、UHF帯RFIDシステムを富士通の工場をはじめ、製造業や流通業で稼動させてきており、UHF帯RFIDタグは通信距離が長く、複数のタグに同時読み書きが可能となるため、荷物の一括検品への適用が特に期待されている。

一括検品においては、荷物のIDの読み込みだけでなく、同時に検品日時や配送先などを記録することが求められているが、従来の書き込み技術では、荷物がゲートを通過する時間内に、多くのタグを検出し、データを読み取り、データを書き込むまでの処理を完了させることができず、実際には、一回の検品個数を制限するなど運用制限を設ける必要があった。

このため、一括検品の更なる利用シーンの拡大に向けて100枚規模のRFIDタグの一括書き込み技術が求められていた。

こうした問題を解決するため、富士通、富士通研究所、富士通フロンテックは共同で、実用的な速度(毎秒1メートル)でゲートを通過する100枚のRFIDタグに対し、一括して情報の読み取りと同時に書き込みも行なう技術開発に業界で初めて成功した。

これは、書き込み性能に優れる「UHF帯FRAM内蔵タグ(ISO/IEC18000-6TypeB)」の採用に加え、同一タグの無駄な検出を回避する「タグ検出性能向上技術」、複数のアンテナを効率よく制御する「データ読み書き性能向上技術」をハードウェア、およびミドルウェアに搭載することにより実現したもの。

富士通と富士通フロンテックでは、今回開発した技術を搭載したハードウェア製品、ミドルウェア製品を2007年春より順次提供し、RFIDタグを利用した一括検品システムの普及を強力に推進する。

検証実験の構成
実験条件
・タグ積載パターン:タグを貼り付けた折りたたみ式コンテナを折りたたんだ状態で横積み100個(25段4山)
・移動速度:毎秒1メートル
・データサイズ:読み込み8バイト(コンテナID)
書き込み4バイト(検品日時、ゲート番号)
・アンテナ枚数:8枚

評価結果
・1,000回連続して、タグ100枚の一括データの読み込み、書き込みに成功

採用した技術について
1.書き込み性能に優れたUHF帯FRAM内蔵タグ(富士通・富士通フロンテックより提供中)
・データ書き込み速度:約3万分の1

2.タグ検出性能向上技術(新規開発、富士通より特許出願済)
・一度検出したタグの重複検出を回避し、検出速度を約2倍に向上

3.データ読み書き性能向上技術(新規開発、富士通より特許出願済)
・複数のアンテナを用いたデータ読み書きコマンドの効率的な制御により、データ読み書きの失敗を低減

問い合わせ
富士通(株)
ユビキタスシステム事業本部ビジネス推進統括部
ユビキタスビジネス推進部
電話03-6252-2662(直通)
retail@fujitsu.com

富士通フロンテック(株)
販売推進部
電話042-377-0445(直通)


100枚の折りたたみコンテナのタグを一括で読み書き

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