ボルボは2月20日、日産ディーゼル工業(株)に対し、TOB(株式公開買い付け)を行い、完全子会社化すると発表した。日産ディーゼルも同日取締役会を開き、TOBに賛同する方針を固めた。
買付価格は普通株式1株につき540円で、総額1350億円。買付期間は2月21日から3月23日までとし、公開買付を成立させるための買付株数の下限は設けない。
日産ディーゼルの自社製品は引き続き「日産ディーゼル」「UD」の商標で販売する予定で、現在の経営陣もそのまま維持する方針。
TOB成立後の資金調達、財務活動はボルボグループで一体運営し、日産ディーゼルが現在営業を行っていない世界の複数のマーケットに同社製品を投入する計画。
ボルボでは今後5年以内に、両社合計で年間2億ユーロのシナジー(相乗)効果を見込んでおり、短中期では調達、販売、一部開発分野で、長期的には商品企画、生産、一部開発分野での効果を期待している。
また、この時期にTOBを行うメリットについても「2009、2010年に発効する日本の新排出ガス規制に先がけて、競争力ある製品を開発・立ち上げるためにも今のタイミングが重要」と強調。
日産ディーゼルに強固な財務基盤を提供するとともに、中型トラック市場でのボルボグループの「プレゼンスが倍増する」としている。