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アミック/在庫率20%圧縮、製造現場のコスト削減を支援

2007年05月30日/国際

製造業の業務管理システムの企画・開発を行うアミック(本社:静岡県浜松市、田北暁社長)はこのほど、外注工場も統合した生産・原価管理が可能な新ERPパッケージの販売を上海で開始する。同システム導入前に比べ金額ベースで平均20%前後の在庫率圧縮が可能なため、競争が厳しい製造現場でのコスト削減を支援していく。業務管理システム市場は毎年20%前後で成長、100社を超える内外資が開発・販売にしのぎを削っている。他社に先駆けて中国市場へ参入した知名度と商品開発力の優位性を武器に今後、売り上げ増加につなげていきたい考え。(日中経済通信)
 
■外注工場も統合する生産・原価管理システムを上海で販売
このほど上海市場に投入するのは、自社工場だけではなく関連・外注工場も統合して購買管理や製造管理、搬送管理、品質管理、環境原価計算の把握などが一つのシステムで可能な「AMMIC/NetP・NetC」。特に、従来は経験できなかった顧客の受注変動に対しても、「資材の受発注が特定できることにより納期の順守率が高くなり、品質問題などに迅速・柔軟な対応が可能になる」(張偉忠/アミック上海事務所総経理)と生産ごとのフルペギング管理が可能とメリットを強調。さらに、仮にある工程で問題が発生しても「トリサビリティー機能があり、履歴をたどり問題の解決を図れる」(朱偉文/同社第二SI部長)と強調する。別途ライセンス料で、ログイン時に日本語・英語・中国語への切り替えができ海外工場での対応が可能だ。
 
経済のグローバル化を背景に近年、製造業を取り巻く環境は益々厳しくなるなかで、生産管理システムに求められる要件は、ダウンサイジングによるシステムメンテナンス費用の低減や顧客指向型生産管理(COMMS)の実現、国際品質認証制度(ISO9000、GMP等)への対応など高度化している。こうしたなか、受注から出荷までの一連のサプライチェーンの部分と管理会計や財務会計、人事管理を含めた企業の基幹業務から成る生産活動を支援する統合情報システム(「ERPシステム」)の開発が進んできた。

■「ERP」「SCM」構築・導入支援で国内外にグローバル展開
同社は生産管理システムのコンサルティング・開発・サポート会社として1992年に設立。当初の顧客である医薬、化学、食品業界だけではなく、電子部品産業などにも対応できるハイブリット型パッケージソフトを開発・販売。94年にはフィリピン・マニラに開発センターを設置し営業を開始。99年8月に上海駐在所、同年10月に北京駐在所を開設。日本経済が「失われた10年」でその地位を低下させるなか、製造業向けERP, SCMシステムの構築・導入支援で早くから国内・海外にグローバル展開していた。

■ローカル開発社を加え100社超がしのぎ削る激戦市場
■顧客指向型生産管理システムの実現に傾注し差異化図る
上海に進出当初は日系の同業他社は殆どなく、ほぼ同社の独壇場。しかし、02年を境とする「第三次対中進出ブーム」による製造業の中国進出に伴い、競合企業はこの上海でも日系大手を中心に現在30社が現地法人を設立。受発注在庫管理システム機能だけのローカルソフト開発メーカーを加えれば100社を優に超える激戦市場に成長している。同社も毎年20%前後売上を伸ばしており、中国のGDPをはるかに超える市場の急成長が背景にある。

「先行した知名度と品質の信頼性で優位性はあるが、ライバルは日系大手」と言明。「より顧客指向型生産管理システムの実現を目指していきたい」(張総経理)と研究開発に傾注。マニラ開発センターにも技術サポート機能を担わせるなど、日系企業の「中国シフト」にも対応できるサービス態勢を構築していく構えだ。

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