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NTS/外資参入で物流施設市場の競争激化、日本ロジステック株式をTOBで取得へ

2007年08月30日/3PL・物流企業

倉庫業を中心とした物流事業を展開するNTS(株)は8月29日、同じく倉庫業の日本ロジステック(株)の普通株式を公開買付けにより取得することを決めた。また、日本ロジステックは同日、NTSによる公開買付けへの賛同を表明した。両社の社長を務める鈴木雄吾氏による事実上のMBO(マネジメント・バイ・アウト)。外国資本などによる物流施設での攻勢に、生き残るには市場規模拡大と経営効率化が必要と判断したとみられる。

NTSは、鈴木氏を含む日本ロジステック経営陣が所有する株式(発行済み株式の49.28%)を除き、全株式を取得する方針。

日本ロジステックは首都圏を営業基盤とした倉庫業を核に、「物流のコンビニエンス化」を掲げ、1997年に現在のジャスダック証券取引所に店頭登録。調達した資金を背景に業容拡大による持続的な発展を目指していた。

しかし、燃料高騰に伴うコスト増を顧客に転嫁できず、営業基盤を置く首都圏で外資系物流企業、国内大手物流企業による大型物流施設の建設が相次いでおり、倉庫業者を巻き込んで競争が激化。
同社は「物流業界の流れも、世界最大の生産国に発展した中国を中心に、海外に軸足を移し始めた」として、国内型物流企業の同社に逆風が吹いているとの認識を示している。

こうした経営環境の中で、同社は「ローコストオペレーションを実現するために、あらゆる経費の見直しとコスト削減などの経営改善努力を行っているが、功を奏してない。経営環境が好転する見通しが厳しいのも事実」として、MBOである今回の公開買付けを通じ、非上場会社に転換することにしたもの。

NTSは公開買付けが成功すれば、日本ロジステックのノンコア事業や不採算部門を縮小する一方で、コア事業である物流事業で大型の設備投資、M&Aなどを活用した事業拡大を図る方針。

公開買付けで、NTSは買付け価格を561円に設定。買付け予定数は168万9000株で、応募株数が予定数に満たないときは、全部の買付けを行わない。買付け期間は8月30日から、30営業日となる10月15日まで。

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