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改正省エネ法/特定荷主基準「実態ベース」に見直しへ

2007年10月16日/CSR

改正省エネ法で規定されている”特定荷主”の該当要件・基準で、混乱が生じている。資源エネルギー庁では、企業ごとの解釈で大きく異なる現行の運用基準を改め、実態に即した運用が行われるよう、次年度以降のガイドラインを見直す方針を示した。

同法では年間輸送量が「3000万トンキロ」を超える荷主企業に対し、特定荷主として年間1%以上のエネルギー使用量削減と報告を義務付けている。

しかし該当要件が各社の解釈によって大きく異なるため、同一業種内のトップ企業が「特定荷主ではない」と表明するケースが発生する一方で2位以下の企業が該当するなど、規制の運用そのものが形骸化しかねない状況となっている。

(株)セブン&アイ・ホールディングスは、10月12日に公表した「CSR報告書2007」の中で「検証の結果、各事業会社は、商品の取引契約上、あるいは『年間の輸送量が基準値以下である』ために、法律上の特定荷主でないことを確認した」として、グループ内の(株)イトーヨーカ堂、(株)セブン-イレブン・ジャパンなどが特定荷主に該当しないとの見解を表明。

流通業では6月末時点で(株)ポスフール、(株)西友、(株)ダイエー、(株)カスミ、(株)マルエツ、イオン(株)、(株)ライフコーポレーション、ユニー(株)、(株)マイカル、イオン九州(株)などが特定荷主リストに記載されているが、コンビニエンスストア首位のセブン-イレブンなどを擁するセブン&アイグループ各社が「特定荷主に該当しない」との見解を示したことから、明確な運用基準を求める声が高まりそうだ。

9月30日付で資源エネルギー庁への報告を済ませたというイオン(株)では「(一般論として)特定荷主としての解釈が難しいと考えているが、企業の社会的責任を果たすという観点から報告を行った」(イオン広報)として、特定荷主に該当するかどうかの基準が明確でない点を指摘している。

これに対し、資源エネルギー庁では「モノの移転を原則として所有権という切り口で捉えていた。初年度ということもあり、企業ごとに解釈が異なっている実態が分かってきたが、望ましい状況ではない」として、実態把握に努め、年内にも次年度以降の運用指針を見直す方針。

同法では、「省エネ取組が判断基準に照らして著しく不十分」である場合に、必要な措置をとるよう勧告することになっているが、初年度である今回は「業種ごとの取引形態の違いなど、当初想定していないケース」であることから、資源エネルギー庁は「(勧告は)現実的ではない」との考えを示した。

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