化粧品・日用品業界の共同物流会社、プラネット物流（株）は10月30日、共同物流拠点「北関東流通センター」（埼玉県北葛飾郡杉戸町）を平成20年1月に開設すると発表した。
同センターは、北関東だけでなく、関東・甲信越・東北一円をカバーする広域流通センターとして、整備するもので、プロロジスパーク杉戸Ⅱを1-2階（延べ床面積26,500平方メートル）を基幹センターとして、サブセンター（埼玉県北埼玉郡大利根町、13,200平方メートル）を複合的に配備し、計39,700平方メートル（12,000坪）もの大型センターとなる。
保管能力は、同社最大の120万ケース、年間総出荷量2,000万ケースを見込んでおり、倉庫内には、無線LANシステムを導入し、99.999％の物流精度を目指す。なお、物流業務は丸全昭和運輸（株）が請け負う。
すでにライオン（株）、エステー（株）、サンスター（株）、小林製薬（株）、（株）マンダム、牛乳石鹸共進社（株）、ホーユー（株）など、日用品・化粧品メーカー11社が参加を表明しており、共同物流による配送コストの節減とCO2削減等、環境負荷の軽減を目指している。同社の試算では北関東流通センターの稼働により、車輌台数は従来より40％、CO2は30％の削減を見込む。
規模が大きいため、1月から2社づつ稼動し、共同保管、共同配送を進め、メーカーの物流コストは10％から30％ダウンできるとともに、中小メーカーの利用では、それ以上のコストダウンできるものとみている。
新センターの大型化は、物流コストアップに対応して、メーカー各社では在庫削減とリードタイム短縮をテーマとする物流拠点の集約化や再構築を進めつつあり、同社に対して広域の配送を1カ所でまかなう物流拠点、とりわけ北関東エリアでの拠点整備が望まれていたためとしている。
新拠点を開設することで、既設の南関東、東北各センターの機能を補完すると共に、物流品質の維持を基本に、新たな物流サービスの開発とコスト削減に取り組む。
基本配送エリアは関東1都6県（東京都、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、神奈川県）と東北6県（青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県）、甲信越3県（新潟県、長野県、山梨県）＋静岡県の合計1都16県。
運営の安定化に伴い、今後は保管、配送の共同業務だけでなく、幹線共同輸送や返品共同輸送、販促物、医薬品の取り扱い、東北エリアへのクロスドッキングなどの機能も追加していく。
また、危険物の保管・荷役に必要となる危険物貯蔵所の許可は他のセンターと同様に取得するが、同センターでは医薬品や食品など隣接する業界で強まっている業態化の動向もふまえ、初めて医薬品卸売販売業や食品販売業の取り扱い許可も取得する。
なお、「プロロジスパーク杉戸Ⅱ」は2007年2月に竣工したマルチテナント型大型物流施設で、東京都心からは約40キロメートル圏。東武伊勢崎線「東武動物公園」駅から約6キロメートル、国道4号バイパスから約450メートル、国道16号から約6キロメートル、東北縦貫自動車道「岩槻」インターから約18キロメートルに位置し、関東圏から東北地域を効率的に幅広くカバーできる国内物流の戦略拠点として、優れた立地メリットを有している。
■北関東流通センター施設概要
基幹センター
開業日：2008年1月
施設名：プラネット物流（株）北関東流通センター（プロロジスパーク杉戸Ⅱ1・2階）
所在地：〒345-0012埼玉県北葛飾郡杉戸町大字深輪398-2（杉戸深輪工業団地）
構造：柱／鉄筋コンクリート造、梁／鉄骨造（大梁端部は鉄筋コンクリート造）、地上5階建。内プラネット物流は1階全部と2階の一部を使用。
耐震設計：耐震等級2等級（避難所施設レベル）
倉庫面積：26,500㎡（8,000坪）
1階18,250㎡（5,500坪）、2階8,250㎡（2,500坪）
主要設備：接車バース66バース（1階47バース・2階19バース）
無線LANシステム
フォークリフト45台（無線LAN車載端末搭載）
パレット昇降機1基
24時間対応セキュリティシステム
防災システム
サブセンター
施設名：プラネット物流（株）大利根センター
所在地：埼玉県北埼玉郡大利根町豊野台2-567-11（豊野台工業団地）
倉庫面積：13,200㎡（4,000坪）
1階・2階・3階各4,050㎡
主要設備：接車バース 18バース
上下搬送設備：オートレーター4基
エレベーター1基
北関東流通センターが入居するプロロジスパーク杉戸Ⅱ
