プラネット物流(株)は、日用品・雑貨メーカーから卸の物流センターに納品する領域で、納品時の混雑解消と物流の効率化によるコスト削減に向け、大手卸会社と共同でメーカーからの物流を代行するサービスを本格化させる。
既に名古屋地区で、ドラッグストアと大手卸の共同出資会社が運営する物流センターの協力を得て専用バースを確保。これまで各メーカーから毎日400便以上あった搬入車両をプラネット物流がまとめ、4段階の出荷に集約することで大幅に便数を減らすプロジェクトをスタートさせた。最終的に130便まで集約できる見通しで、「全国展開に向けて準備段階に入った」(児玉博之・プラネット物流社長)という。
<ロジスティクス・SCMフェアで講演する児玉博之社長>
プラネット物流によると、これまで毎日400台程度の納入車両があり、各車両がセンターに到着するまでの平均輸送時間が3時間48分かかっていた。また、場内では混雑によって待機時間が1時間10分、荷卸し時間も54分となっており「ぼう大な無駄が発生していた」。
こうした状態を改善するため、プラネット物流がサードパーティとしてメーカーからの出荷をまとめ、卸の協力で確保した専用バースを活用し、毎日3回の出荷をスケジューリングするとともに、同社が在庫管理を受託しているメーカーに対しては、イレギュラーな受注も受け付けて当日納品する仕組みを整えた。
同社では、新サービスを「まとめ納品」と名づけ、北海道地区で別の大手卸との間でもトライアルをスタートさせる。
プラネット物流の児玉社長は、11月2日に行われたロジスティクス・SCMフェアで特別講演を行い、主要日雑メーカーが資本参加するという同社の特性を生かし、ドラッグストアなど小売からメーカーへの返品業務でも共同化を進める方針を明らかにした。
日雑業界では、年間の出荷需要2兆円に対して返品は3%を占めるが、児玉氏は「チェーンストア、卸、メーカーの3段階で検品が行われており、プラネット物流が返品業務の共同化をまとめることで、業務効率を大幅に向上させることができる」と話した。