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IHI/大幅な業績悪化、ロジスティクスも影響

2007年12月13日/決算

IHIは12月11日、エネルギー・プラント事業の採算悪化による巨額損失で、社内調査委員会の調査報告書で、建設工事の集中による作業手順、調達品の運送の問題なども影響したことを公表した。

同報告書では、電力事業において、国内6プロジェクト、海外6プロジェクトの計12件の建設工事が同時並行で施工したが、平成18年度上期以前は5ないしは6工事にとどまっており、工事量としては従来の2倍以上となるとともに、平成18年12月以降建設工事の山が立ち上がり始め、平成19年度には竣工前の建設工事が集中した。

しかし、建設工事の増大による工事量に対して事業部は設計から建設にわたる全工程に対し、設計外注を含む外注の積極的な活用、海外子会社への生産委託、人員補充などの適切と思える対応策を取ったが、一部の工事の工程にトラブルが発生した。

その結果が建設工事に波及し、プロジェクト・マネージャーの人材不足、建設における管理能力不足・ロジスティック面の弱点(建設を担当する関係会社を含む)が顕在化し、建設工程の混乱を招いた。

このため、「工程混乱によるコスト増加」「工程混乱による中間原価の把握遅れ」を惹起することとなり、また、「請負金増額交渉の問題」による損失の拡大を招いたものといえるとした。

工程混乱によって、納期遅延やそれを回復するための緊急工事が発生し、緊急工事は急な人員の増加とそれに伴う人件費の急増だけではなく、資材・機材の緊急搬送費・保管場所費用などの想定外の多額のコストを発生させる。

また、建設工事の最中に不具合が発見され手直し工事が発生することがあるが、これは、工場とは異なる厳しい条件下での施工となるため、工程の混乱とともに多額の異常コストを発生させた。

さらに、工程の混乱は工事採算を維持・向上させるために必要とされていたコストダウン施策への対応に割くべき人材や時間が、混乱収拾に手を当てることで不足することとなり、一部のコストダウンは実現できたものの、多くの施策が実施できない結果をもたらした。

一方で、混乱した案件について、未解決課題に対応するためのコストを含む多くのコスト増加要因が建設工事に集中することとなり、実行予算を大幅に狂わせ、さらには他の工事の悪化につながる連鎖を発生させることで今回の下方修正を大型化させたという。

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