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ベリングポイント/グリーン・サプライチェーングローバル調査を発表

2008年02月29日/国際

ベリングポイントは、世界各国においてサプライチェーンの観点から企業の環境対策を分析したグリーン・サプライチェーングローバル調査報告書を発表した。
2007年6月から11月に欧州・米国・日本において調査を実施し、各地域の主要企業601社(欧米企業:サービス業中心に約93%、日本企業:製造業の大企業中心に約7%)からのアンケート回答結果と20社(日本企業3社)のインタビューをもとに、環境対策の実施状況、コスト効果を「製品設計、調達、製造、物流、回収」のサプライチェーン機能別に分析した。
調査結果では、環境対策の上位2大要因として、法規制と企業イメージの向上を上げ、業種的には、製造業よりもサービス業や物流業で企業イメージの向上を重視する傾向がある。
全体で83%の企業が事業計画立案時に環境に配慮していると回答したが、実際に対策を実行している企業は35%に過ぎないことがわかった。企業規模が大きいほど環境対策の実施率は高く、大企業における実施率は47%と、中小規模企業の2倍以上となった。
国別では、日本企業の85%が5年以上環境対策に取り組んでいると回答したが、英32%、仏22%、米52%だった。
国内外の取組み実績の差は、回答した日本企業の環境対策関連部門保有率が95%だったのに対し、全回答企業では55%に留まることからも明らかとなった。
環境対策を実施していない企業が挙げる最大の理由は法規制や対策(戦略)の立て方などに関する情報不足(36%)である。その他の要因として、対策の複雑さ(18%)や費用(額および投資効果:合計20%)があげられている。
機能別の環境対策実施率では、物流が81%で一番高く、設計とリバースロジスティクスが、それぞれ59%と出遅れている。物流対策が先行している主な理由として、欧州や北米の流通経路が長いこと、トラック輸送が主体であること、および近年の燃料高騰があげられている。
今回の調査を受け、ベリングポイントのサプライチェーンマネージメントチーム本木昌裕マネージングディレクターは「過去の公害対策やISO活動、欧米の法規制対応および京都議定書に関する取り組みなどにより、日本企業は環境対策の実施率において欧米企業を大きくリードしていることが確認された。しかし、そのリードの大半が産業部門によるものでありサービス業や運輸業の貢献度は低い。逆に、欧米では消費者に近い業種ほど環境意識の高まりは著しい。サプライチェーンの上流と下流で日米欧の優位が入れ替わっている可能性がある」としている。
さらに「即効性のある対策や効果の大きい対策が欧米企業の方に多く残されていると思われる。日本企業においては、1990年代以降国内設備投資は低迷を続けてきたが、今後設備改造、更新、統合、移転が進むと思われるので、その際、抜本的な環境対策を行う余地を検討する必要があるのではないか」と分析している。
法規制についても「環境対策を推進する最大の要因であることが分ったので、企業の自主的対応を尊重することは勿論であるが、実効性の高い施策を目指した規制当局の速やかな対応も求められる。輸出依存度の高い日本は輸出先国の法規制に大きく影響される。これまで受身的な対応が多かったと思われるが、今後はルール作りにおいても欧米企業をリードする必要がある」と提言している。
本調査に関するエグゼクティブサマリーは、下記URLを参照。
http://www.bearingpoint.co.jp/library/research.html

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