川崎汽船／天然ガス生産ベンチャーに出資

川崎汽船は、中小天然ガス田からの洋上LNG生産プロジェクトを推進するフレックスLNGリミテッド（フレックス）の株式を15％取得し、フレックスの第三者割当増資を通じてフレックスに出資すると発表した。
株式の取得金額は約180億円と見られる。同社は洋上LNG生産設備からのLNG輸送などオフショア関連サービスを優先して提供し、フレックスとアジア・太平洋地域での共同マーケティング活動で合意しているという。
今回の提携は、今年4月に策定した中期経営計画“K”LINE Vision 100の「エネルギー関連上流ビジネスへの事業領域の拡大」という事業戦略の一環で、川崎汽船は25年の実績を持つLNG輸送事業と、昨年参入を決定したオフショア支援船事業とのシナジーを活かし、さらに天然ガス開発、LNG生産へ進出を図るもの。フレックスは2011年以降のLNG生産開始を予定している。
同社がフレックスに着目したのは、フレックスの洋上LNG生産プロジェクトが、陸上までのパイプラインや港湾設備などの投資が不要で、中小型ガス田でも迅速に生産が開始できる点。またフレックスは、SPBカーゴ・システムを装備する洋上LNG生産船4隻を韓国・三星重工に発注しているほか。6月上旬にナイジェリアOML122鉱区の洋上LNG生産プロジェクトの詳細事業化検討で三菱商事、ピーク・ペトロリアム・インダストリーズ・ナイジェリアと合意している。