LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信

ユニチカ/ナイロン長繊維事業撤退など大胆なリストラクチャリング

2009年03月20日/SCM・経営

ユニチカは3月19日、収益改善に向けて、事業構造改善と固定費削減施策を柱とする構造改革の実施内容を発表した。

事業構造改善は、「ナイロン長繊維事業の撤退」、「ウール事業・綿紡織事業の再構築に伴う工場閉鎖・縮小」、「環境プラント事業の再構築」、「関連不採算事業の見直し」の4つで構成される。

特殊銘柄をのぞくナイロン長繊維事業の撤退については、ここ数年営業損失を計上するなど業績低迷が継続していることに加え、販売量の落ち込みなどにより、今後の収益回復は困難と判断した。具体的には、ユニチカファイバーの宇治工場(京都府宇治市)での生産を、遅くともことし9月までに終了する。特殊銘柄については岡崎工場(愛知県岡崎市)に移管し生産を継続する。また、宇治工場のモノフィラメントと岡崎工場のナイロン綿についても生産を継続する。

国産品の需要が減少する中、ウール事業は、生産拠点であるユニチカテキスタイルの宮川工場(三重県伊勢市)の操業低下により採算が悪化。今後も量的な拡大が見込めないという。綿紡織事業についても、生産拠点の同社常盤工場(岡山県総社市)で適正な生産量が確保できず生産効率が悪化している。

こうした状況を踏まえ、宮川工場については2009年上期中に閉鎖、常盤工場は2009年度内に適正規模に設備縮小して、高付加価値品生産に特化する。宮川工場閉鎖後も、ウール事業での特需ユニフォームやスクール用途などについては外注生産で販売を継続する。常盤工場縮小に伴う綿紡織事業での生産減少分は、グループ子会社のユニチカスピニング(長崎県松浦市)とインドネシアのP.T.UNITEX へ生産移管する。

グループの環境事業は、廃棄物処理・水処理の分野で官需プラント事業中心に展開していた。公共事業縮減で受注量の回復が進まず、官需プラント事業を再構築する。具体的には、受注量が減少している焼却炉分野について運営体制を見直す。既納入焼却炉の補修改造とメンテナンス分野に注力する。水処理分野については、上下水道分野と浸出水処理施設を中心とした運営体制とし、得意分野の「繊維ろ過」と「造粒脱リン」に力を入れる。民需分野での水処理・薬剤技術の事業展開を強化。収益安定化を図って行く。

グループ内で電子基板事業を行うユーアイ電子(愛知県豊橋市)は、2007年3月期に連結子会社となり、現中期経営計画の下での連結業容拡大策の一環で、収益改善と事業強化に努めていた。だが、事業性確保のための受注拡大が計画通り進捗しない中で、景気悪化の影響で収益が著しく落ち込む見通しとなったため、事業の見直しを図る。グループのユニチカサカイで行っている合繊部門の川中加工・販売事業の採算が著しく悪化しているため、事業の縮小などの効率化を図る。

世界経済の低迷は、来期以降もグループ収益に影響を与えると想定し、大幅な固定費削減施策を実施する。

45歳以上の管理職に対する希望退職の実施や嘱託社員の契約期間満了に伴う退職などにより、グループ従業員150 名程度の人員削減を図る。2010年3月までを当面の実施期間として、本体役員と執行役員の報酬を50%~25%程度減額しており、グループ役員の報酬についてもこれに準じて取り扱う。また、2009年4月から1年間、管理職や一般従業員の年収についても、平均18%程度削減する予定だ。また、固定経費の効率化を徹底させる。

構造改革の実施に伴い、2009年3月期で、連結100億円程度、個別125億円程度の特別損失を計上する見込みだ。

関連記事

SCM・経営に関する最新ニュース

最新ニュース