日本電気は4月13日、ヨーロッパ現地法人NECヨーロッパが、東欧地域での事業体制強化のため、傘下にNEC Eastern Europeを4月1日付で発足させ東欧市場全体の事業を統括する新体制を確立したと発表した。
NECはこれまで、NECヨーロッパ傘下のハンガリー、ポーランド、チェコの各支店を通じて東欧ビジネスを拡大し、現在では中東欧周辺17か国への営業活動を行っている。東欧市場は、通信インフラ構築やデジタル放送網の整備本格化など、事業機会が拡大すると見られている。今回の新体制構築は、通信・放送分野を中心とするノウハウや過去の実績を活用し、各国の事情に合わせて、営業と技術部隊が一体となった幅広い事業活動を展開することを最大の目的とする。
NECは2008年4月、通信事業の技術サポートを行ってきたハンガリーのラインコムを買収し、今回、この技術サポート部隊がNEC Eastern Europeの中核部門となっている。
NEC Eastern Europe社は、ハードウェア機器提供だけでなく、製品の顧客ごとのカスタマイズ、独自のツール開発によるエンジニアリングサービス、保守・サポート業務などのノンハードビジネスも含めたトータルソリューションを一元的に提供する。20年以上にわたり各国で独自に培われたさまざまなノウハウを東欧市場全体に展開するとともに、欧州全体で同社のエンジニアリングリソースを有効活用する考えだ。
更に同社は、放送や ITネットワーク領域へも事業拡大していく。欧州でのデジタル放送の普及は先進国の多くで一巡し、今後は東欧やロシアを中心に導入が見込まれる。放送事業者や通信事業者に対して、次世代ネットワーク(NGN)への発展を見据えたデジタル放送機器と映像ソリューション提供を行う体制ができた。