LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信

サプライチェーン・カウンシル日本支部/コンソーシアム白書を公表

2009年04月13日/調査・統計

サプライチェーンカウンシル日本支部・S&OPコンソーシアムは4月13日、ホワイトペーパー(白書)を発表した。

同白書は、日本の製造業に対してインタビューを実施した結果、昨今の経営環境では、従来のサプライチェーン計画は不十分との多くの回答を得た。従来の計画プロセスでは、事業計画は金額ベースである一方で、実行計画は製品数量の計画であって、両者の連携は不十分だったと指摘している。

こうした問題に対して、1980年代後半にアメリカで提唱されたS&OP(Sales & Operations Planning)が解決の方向性を示すものとして注目を集めている。S&OPは、従来から行われている開発計画や需要計画、供給計画を財務数値とリンクさせ、経営層の視点での意思決定を実現する計画プロセスの革新を目指している。

白書は、S&OPの要である事業計画と製販計画との垂直連携を考察した。両者の計画サイクルを月次に統一し同期化。両者の情報粒度をそろえるために、一元化した計画情報モデルを提案するとともに、意思決定の効率化・高度化のためのシナリオアプローチの有効性を挙げている。

次に、S&OPを実現するための重要な機能として需要マネジメントについて解説。需要マネジメントでも需要の先行きに対して、「楽観」、「悲観」、「現実的」、「目標」などのシナリオを区別して管理するシナリオアプローチの有効性を指摘した。S&OP実践のためには、ITシステムによる支援が不可欠。必要なIT基盤要素として、「統一データベース」、「ワークフロー管理」、「計画プロセスの自動化」を列挙した。

S&OPを実行する組織では、各プロセスのマネージャーは、自己の専門視点と財務視点の「バイリンガル」になることが要求される。こうしたバイリンガル・マネージャーが集合した組織体では、詳細な数値の報告は不要となり、全体的な視野に立った事業運営が可能となる。

最後に、SCORモデルとS&OPの関連するとともに、両者を結び付けた実践事例を紹介。両者の組み合わせによって、SCMの改善につながるS&OPの早期立ち上げが期待できると指摘した。

関連記事

調査・統計に関する最新ニュース

最新ニュース