セイコーエプソンとソニーは6月30日、エプソンイメージングデバイスが行っている中・小型薄膜トランジスタ（TFT）液晶ディスプレイ事業に関する事業資産の一部を、ソニーとソニーモバイルディスプレイへの譲渡で合意し、同日契約を締結したと発表した。
これにより、各国関連当局の承認の取得を条件に、エプソングループの資産の一部をソニーグループに譲渡し集約を進める。
まず、顧客への対応を最優先するため、年内にエプソンイメージングが推進する中・小型TFT液晶ディスプレイ事業に関する営業機能をソニーグループへ引継ぐ。2010年4月1日付で、エプソンイメージングの持つ中・小型TFT液晶ディスプレイ事業に関する生産関連資産の一部をソニーモバイルディスプレイに譲渡し、ソニーグループでのオペレーション体制へ移行させる。
このほかエプソンイメージングよりソニーモバイルディスプレイへ、アモルファスシリコンTFT液晶の生産に関わる建物・設備（鳥取市など）の一部譲渡と土地の一部貸与を実行する。またエプソンの中・小型TFT液晶ディスプレイ（高温ポリシリコンTFT液晶などを除く）に関する特許、ソフトウェアなど知的財産もソニーグループへ一部譲渡する。開発、設計、製造などに従事するエプソングループの一部従業員は、ソニーグループへ出向を予定している。
一方、ソニーは、今回の事業資産の一部譲渡で、ソニーグループの高精細低温ポリシリコンTFT液晶の営業力、技術力、生産力に加えて、エプソングループの持つ中・小型TFT液晶ディスプレイ事業の営業力、技術力、商品設計力を活用し、技術とコストバランスを持った幅広いラインナップを持つ総合的な中・小型TFT液晶メーカーとしてディスプレイ事業を推進するとしている。
