ダイキン工業は7月22日、グローバルで市場が拡大中の「リチウムイオン電池」分野で、電解液用フッ素系添加剤「フルオロエチレンカーボネート(FEC)」の量産体制を確立したと発表した。
今後、顧客での性能確認評価を進め、2010年初頭からの販売を開始する。
「FEC」は、「リチウムイオン電池」の電解液に添加すると、蓄電池の寿命に影響する蓄電容量の低下を抑えられることが最近の研究で明らかになり、電池メーカーでの採用が始まっている。具体的には、負極(マイナス極)表面に長期にわたり良好な皮膜が形成され、電解液の劣化を抑制し、蓄電池の長寿命化に貢献する。今後、グローバル市場での急激な需要拡大が予想され、「FEC」の安定供給が求められている。
ダイキンは、これまで「リチウムイオン電池」材料用のフッ素樹脂を製造するとともに、蓄電池の長寿命化や、高い蓄電容量化を目指す材料選定の動きに合わせて、フッ素化合物に求められる品質や性能を評価する技術を習得してきた。長年にわたって蓄積してきたフッ素化合物の製造ノウハウと合成技術を駆使し、新しい製法による純度の高い「FEC」の量産製造プロセスを確立し、性能評価を完了した。
今回の「FEC」を中心に数種のフッ素化合物で、2011年度に約30億円の売上げを目指す。