双日は8月6日、太陽誘電とともに日本電子の子会社であるアドバンスト・キャパシタ・テクノロジーズ(ACT)の第三者割当増資を引き受け、太陽光発電向けや鉛電池の代替などの需要拡大が期待されているリチウムイオン・キャパシタ「Premlis(プレムリス)」の製造・販売で提携すると発表した。
ACTは、増資で調達した資金をもとに「Premlis」の製造設備を増強し、2010年夏には月産2万セルの生産体制を構築する。双日は、役員を派遣してACTの経営支援を行うとともに、国内外での「Premlis」の販売活動を通じて、市場や販路を開拓する。太陽誘電は、「Premlis」の量産体制構築をサポートする。
リチウムイオン・キャパシタは微弱な電力でも効率的に蓄電できるという特性がある。太陽光発電などの環境エネルギー分野での需要が拡大していくと見込まれている。太陽電池パネルと組み合わせて、街灯や監視カメラ、防犯センサーなどの独立電源として利用することが幅広く検討されている。
鉛電池の代替として工場用搬送システムや、建機・重機の補助電源、無停電電源装置(UPS)への活用も期待されている。将来的には、アイドリングストップ装置や電子制御用のバックアップ電源など自動車向けの用途も有望視されており、リチウムイオン・キャパシタの市場は2015年には1000億円まで拡大すると同社は予測している。
ACT、双日、太陽誘電の3社は、提携を機に「Premlis」の量産体制を確立し、2014年には100億円の売上げを目指す。