JFEスチールは11月19日、インドの大手鉄鋼メーカーのJSWスチール社との間で戦略的包括提携契約を結んだ。
JSW社は世界の鉄鋼大手の中でも急成長を遂げている。年間粗鋼生産能力は現在の780万トンから2011年には1100万トンまで拡大する予定だ。粗鋼生産能力ではインド最大の民間鉄鋼メーカーであり、2009年度第2四半期には前年同期比で、粗鋼生産量は54％、鋼材販売数量は74％増加している。
高付加価値製品の分野でも急成長しており、2010年3月には最新鋭の広幅熱間圧延工場が稼働する。2020年までにウエストベンガル州、ジャルカンド州に各々1000万トン／年の新規一貫製鉄所を完成させ、粗鋼生産能力を年間3200万トンまで引上げる計画だ。
インド市場において、新規プロジェクトの推進による能力拡大と技術力の向上を目指すJSW社と、インド市場での供給拠点確保を目指すJFEとの方向性が一致し、契約の締結を決めた。
まず、自動車用鋼材分野で提携することで合意した。合意には熱延鋼板、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板の製造技術の供与、原板供給、自動車需要家への応用エンジニアリングや製品開発を含む共同サービスの実施が含まれる。
両社はインドで、自動車用鋼材以外の鉄鋼製品製造、省エネ分野、環境対策、品質・歩留改善、JSW社の設備能力診断、各種指標のベンチマーキング化、インド内外における原料調達、JSW社が計画中のウエストベンガル製鉄所プロジェクト、相互出資などを行っていく。
