丸紅は4月5日、印インディアン・オイル・コーポレーション(IOCL)と台湾TSRC Corporation(TSRC)と共同で、スチレンブタジエンゴム(SBR)の製造販売を行う合弁会社をインドに設立することで合意したと発表した。
SBRはタイヤ製造における主要原料の一つ。3社は、自動車産業の成長が見込めるインドでの需要拡大を狙って、インド国内初のSBR事業を行う。
IOCLはインド国営石油会社で、インド国内に8か所の製油所を有し、石油化学事業の拡大を進めている。デリー市郊外のハリアナ州パニパットにて、ナフサクラッカーを建設しており、今春に稼働予定。同クラッカーから副産物として産出されるブタジエンがSBRの原料となる。TSRCは台湾の合成ゴムメーカーで、丸紅とは中国・タイですでに合弁事業を行っている。
丸紅は、ブタジエンの有効利用を模索していたIOCLと、インド進出を目指していたTSRCを引き合わせ、交渉を進めていた。IOCLの最新鋭クラッカーから産出されるブタジエンを原料とし、クラッカー隣接地にSBRプラントを建設。台湾・中国で実績のあるTSRCの技術でSBRを生産し、現在全量輸入されているインド国内のSBR需要を満たすのが狙い。
インドの自動車販売台数は2008年に約200万台、年率10%以上のペースで伸びており、今後数年で倍増し、米国、中国、日本に次ぐ世界第4位の市場となるといわれている。
合弁会社概要
会社名:Indian Synthetic Rubber Limited(予定)
所在地:インド ハリヤナ州パニパット
総投資額:約2億米ドル(予定)
株主構成:IOCL 50%、TSRC 30%、丸紅20%
稼働予定:2012年(予定)