三井化学と東亞合成は4月19日、エチレンカーボネート（EC）の製造を行う合弁会社を設立すると発表した。
ECは、リチウムイオン二次電池（LiB）用電解液の主要原料。東亞合成は名古屋工場においてECを製造しており、今後のLiB市場の拡大にともなうECの需要増大に対応するための設備増強を検討してきた。
東亞合成と三井化学は、EC原料であるエチレンオキサイド（EO）を三井化学大阪工場から供給し、東亞合成の独自技術によってECの製造を行う合弁会社を設立することで基本的に合意した。
新合弁会社の製造設備は、三井化学大阪工場敷地内に設置する。販売業務は従来どおり東亞合成が担う。東亞合成は、名古屋工場におけるEC製造も継続する。
LiBの需要は、パソコンや、携帯電話用途に加え、電気自動車、プラグイン自動車、ハイブリッド自動車の普及とともに世界的に拡大する見込みだ。電解液の主要成分となるECの需要も2012年以降に急拡大が見込まれており、東亞合成は、市場動向を先取りしたEC製造能力の増強を目指す。三井化学は、大阪工場へのEO誘導品事業誘致によるEO事業競争力強化と大阪工場基盤強化を図る。
合弁会社の社名は、「MTエチレンカーボネート」で、出資比率は、東亞合成90％、三井化学10％。生産能力は年産5000トン。完成予定は2011年秋を予定している。
