野村総合研究所とシンクロン・ジャパンは7月27日、「グローバルサプライチェーンセミナー2010」をスウェーデン大使館で、開催した。
事例セミナーでは、日産自動車のグローバル情報システム本部マニュファクチャリングSCMシステム部の的場保信部長が、この10年間の日産自動車の生産、販売、調達、物流展開を説明した。
<講演する日産自動車の的場保信部長>
そのなかで、北中米、ヨーロッパ、アジアにおける生産拠点のグローバル化が大幅に促進され、調達網、完成車両の販売物流網は大幅に複雑化し、SCMに対する重要度がさらに高まっているとした。
このため、車両開発段階からSCM部門が関わるようになり、例えば部品では、いかにサイズを小さく、近距離での輸送をグローバルでコスト削減を行なうとともに、為替、調達価格なども含めた様々な要素も組み入れて、ネットワークを構築していくかが重要になっているとしている。
マスターデータ、各部品、各工場での仕様の共通化、ルノーとのアライアンスなどグローバル化は詳細なデータ管理とどこでも使えるようなシステムを整備することが重要だ。
一方で、各地での生産拠点新設と新車投入までの期間の短縮、リードタイムの縮小が進められており、地道な対応が必要としている。
また、小松製作所のプロダクトサポート本部部品事業部 販生統括グループの斎藤 尋彦グループマネージャーは、海外ウェートが高いため、海外での生産拠点、実際に使われている車両、機材について、常にデータを収集することで、部品供給予測などを積極的に行い、各地の代理店も含めて、部品在庫が極力でないようにする対応を進めていると説明していた。
<講演するコマツの斎藤尋彦マネージャー>