凸版印刷は9月13日、450℃の高温に耐える超耐熱ICガラスタグの試作品を完成したと発表した。
造船業界や自動車業界、建設機械業界など、過酷な環境下でのICタグ利用を検討している業界向けに2011年度の量産化を目指す。
凸版印刷は、ICチップを限りなく真空に近いガラスの中に封止加工する技術を確立し、ICタグの耐熱性を向上、従来のICタグの約2倍となる450℃の耐久性を実現している。作業中の振動や衝撃にもガラスが破損しない、2次加工技術の開発をしており、2011年度の量産化を目指す。
凸版印刷は、日本海事協会や新来島どっくの共同研究事業である「耐熱無線通信タグ(溶融亜鉛めっき適用可)研究開発」に6月から開発協力のため参画している。共同研究事業の目的は、船舶の建造現場へ適用可能な作業性と、耐久性・耐熱性をあわせ持つICタグを開発することだ。凸版印刷は、同共同研究事業からの依頼を受け、日本板硝子の技術協力を得ながら、超耐熱ICガラスタグの開発を行った。
過酷な環境下でのICタグの利用ニーズが高まっており、とりわけ造船業界では部材の品質管理と効率的な運用のために、高い耐久性と耐熱性のICタグが求められている。