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川崎汽船/運航中大型石炭船へのバラスト水処理装置搭載実験

2010年12月21日/3PL・物流企業

川崎汽船は12月21日、日本海事協会の研究支援を受け、アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド(IHIMU)、JFE エンジニアリング(JFEエンジ)、エス・イー・エー創研(SEA創研)と共同で、運航中の大型石炭運搬船の機関室内を改造し、大型バラスト水処理装置を搭載する実験プロジェクトを発表した。

改造する実験船は豪州より日本向けに石炭を輸送するばら積運搬船で、バラスト水処理装置はJFEエンジ製、改造工事はIHIMUの国内工場で2011年5月に実施する予定。

大量のバラスト水処理を必要とする就航中の大型バルクキャリアーへ、本格的な大型処理装置を改造して搭載、運用する試みは世界初となる。

バラスト水は、寄港国毎の取排水地域が異なる為に地域生物の生態系に影響を及ぼすとされ、国際海事機関(IMO)で「船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理の為の国際条約」の規制が定められている。この条約が強制化されると、バラスト水中に含まれる生物及び細菌類を、処理装置を用いて除去・殺菌することが求められる。

一方で、バラスト水処理装置の搭載・改造は大掛かりのものとなり、改造工事やスペースの制約等の困難が予想されている。さらに装置取付け後の実運用にも乗組員の取扱い習熟度等の問題も発生する。

今回の実験は、船へのバラスト水処理装置搭載の為の技術的問題と解決策を検討するとともに、装置の取扱いノウハウ蓄積を目的としたもの。先進的な取組みとして、3次元レーザースキャナーにより本船機関室構造データをデジタル化して改造設計に利用する「リバースエンジニアリング」手法も実験的に取り入れ検討するため、SEA創研もプロジェクトに参加した。

川崎汽船では、このプロジェクトでの知見・経験を生かし、今後大量に改造工事が見込まれる運航船舶に対し改造搭載の準備を進めることで、海洋環境の保全の為の取り組みを積極的に進める、としている。

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