日本郵船(株)は8月28日、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイの3か国で海運代理店業、物流事業を展開するムルチマールグループの総株式の60%を取得したと発表した。
ムルチマールグループは1995年の設立で社員数約100名。2006年度の売上高は1300万米ドル。アルゼンチンのブエノスアイレス本社を拠点に、ウルグアイ、パラグアイを含めた3か国で海運代理店業、通関・内陸輸送・倉庫業などの物流業を行っている。
日本郵船はこれまで、南米東岸とアジア、欧州、北米東岸を結ぶコンテナ航路を拡充し、自動車船による完成車輸送、冷凍船やバルカーによるばら積み貨物の輸送にも積極的に取り組んできた。4月には中南米の運営拠点を東京からサンパウロに移転するなど、一連の中南米地域営業強化策を推進している。
今回の現地企業の株式取得は、中南米地域営業強化策の一環で、2001年末の経済危機から目覚しい復興をとげたアルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイでの顧客サービスの向上を目指すもの。自動車、ワイン・食料品・穀物・化学品・原材料など、今後さまざまな分野で荷動きの大きな伸びが期待されており、日本郵船では「物流事業のグローバルネットワークと組み合わせ、幅広いサービスメニューを用意して顧客ニーズに応えていく」としている。