SAPAG(以下:SAP)は、TysonFoods Inc.(以下:タイソン・フーズ)が、事業間の情報の統合と標準化、そして業務効率を最大化するために、同社のITテクノロジー・プラットフォームとしてmySAPBusinessSuite(マイエスエイピー・ビジネス・スイート)を採用した、と発表した。
SAPBusinessSuiteの全面採用により、タイソン・フーズは、顧客営業情報、調達と在庫管理業務の共有化、グループ統合財務情報管理のためのグループ内共通のしくみを構築し、既存のSAP製品を導入するだけでなく、食品業界に特有の不定貫の機能開発に関し、SAPと協業する。
タイソンは、世界最大の牛肉・豚肉供給元であったIBPの買収に伴い、早急に異なるシステムを統合し、新しいITインフラを整える必要があった。mySAPBusinessSuiteは、企業のさまざまなITインフラを統合するための統合アプリケーション・プラットーフォームSAPNetWeaverが基盤となっている。
SAPNetWeaverの一部であるSAPMasterDataManagement(SAPMDM)といったシステム連携のためのSAPツールを活用することで、グループ内の複数のITインフラ、アプリケーションで管理している体系の異なる製品(食肉コード)や顧客、仕入先などのマスタ情報の同期を取ることができるようになる。
同社はすでにSAPの人事管理アプリケーションを導入しており、社員110 000人の人事情報を管理していますが、今回、タイソン・フーズは6 000人のユーザーを追加し、今後段階的にSAPの適応範囲を広げ、最終的には全社員がSAPを使う予定になっている。
SAP導入により、タイソン・フーズが改善できる業務。
●プロモーション管理:SAPTPM(販売プロモーション管理)により、販促費の管理を徹底、小売との協業による販促計画の立案を効率化し、総販売管理費、収益性、ROI等の指標によるプロモーションの評価・分析を行うことができる。SAPの受注管理やサプライチェーン、予算管理やデータウエアハウス、mySAPCRM(mySAPカスタマ・リレーションシップ・マネジメント)機能を同時に活用することで、販促管理の計画から実施、評価までの全プロセスがすべてSAPの上で管理できるため、社内ないしは小売に対し、販促に関する情報の可視化が実現する。
●財務会計及び管理会計業務:SAPの財務管理アプリケーションは、財務会計処理と、収益や事業実績管理、収益性分析等の評価・分析を行う。企業内における戦略策定や現場の意思決定のために必要となる財務・事業情報の管理と、さらには、複数言語・通貨・勘定をまたがったグループ全体の情報の管理も可能となる。
●調達業務:SAPSRM(SupplierRelationshipManagement)を使い、全世界で統一された調達のしくみを構築する。外部のASPサービスを使わずに、自社内に入札機能を持つことにより、外部に対する支出を抑えながら、短期間で、調達費用を大幅に削減することができる。また、グループ全体でソーシングと調達のための共通基盤を持つことにより、グループ内のすべての事業において、コンプライアンスにまつわる管理の徹底や、調達経費の可視性が実現できる。