(株)キユーソー流通システムの平成17年11月期中間決算短信(連結)の経営成績は下記のとおり。
同社グループは中期経営計画「KRSG40」の2年目をスタートさせ、最適な物流を提案するアセット型3PLの営業の強化をはかり、保管貨物を中心とした共同物流、専用物流の新規顧客獲得および既存顧客の領域拡大(取扱地域の拡大および受託業務の垂直拡大)を推し進め、領域拡大と食品メーカー等新規の取引を受託するとともに、新たな試みとして顧客の受注センターの業務請負を受託した。
さらに、機能と品質の強化をはかるため、松戸営業所の冷凍冷蔵庫増設(ことし11月竣工予定)の着手、倉庫作業のシステムリニューアルによる効率向上に加え、GPS・デジタコを約2,400台の運送車両へ搭載を拡大、協力運送会社組織の「キユーソー会」のISO9001の認証取得に着手するとともに、グリーン経営の認証取得による環境保全に取り組んだ。
また、グループ資金の効率化をはかるため、キャッシュマネジメントシステムの適用グループ会社を拡大し、有利子負債と支払利息の圧縮を推し進めた。
この結果、当中間連結会計期間の営業収益は、632億79百万円と前年同期に比べ39億96百万円(6.7%増)の増収となった。
利益面では、デジタコ導入による燃料費削減や運送効率向上・荷役作業効率化によるコスト削減が進んだ反面、燃料価格上昇の影響、新規顧客の立上費用と既存顧客の保管場所再編費用の増大、顧客ニーズを受けた物流改善コストの増加により、営業利益は13億87百万円と前年同期に比べ3億33百万円(19.4%減)、経常利益は14億11百万円と前年同期に比べ2億39百万円(14.5%減)、中間純利益は6億19百万円と前年同期に比べ76百万円(11.0%減)とそれぞれ減益となった。
事業の種類別セグメントの概況
倉庫事業
共同配送を主体とした地域別、温度帯別貨物特性に重点を置いた提案営業を展開し、保管型の新規顧客開拓とともに、既存顧客の領域拡大に努めた。
また、既存顧客の保管場所の再編、アセットの保管スペース見直しおよび荷役作業標準化による人員の適正化をはかり保管・作業の効率向上によるコスト低減に努めたが、新規顧客の立上費用と既存顧客の保管場所再編費用の吸収ができなかった。
この結果、倉庫事業収益は107億36百万円と前年同期に比べ1億54百万円(1.5%増)の増収となり、営業利益は、2億10百万円と前年同期に比べ81百万円(27.8%減)の減益となった。
運送事業
倉庫事業部門に牽引され、既存顧客の領域拡大と新規顧客獲得の寄与もあり取扱貨物量は伸長した。一方、スルー事業は、システムリニューアルの遅れが影響し、低調な推移となった。
コスト面では、使用車両削減等運送効率の改善とGPS・デジタコ導入拡大による燃料使用量削減等を推し進めコスト吸収に努めたが、燃料価格の上昇の影響と立上費用等を吸収できなかった。
この結果、運送事業収益は470億66百万円と前年同期に比べ20億22百万円(4.5%増)の増収となり、営業利益は、10億19百万円と前年同期に比べ2億48百万円(19.6%減)の減益となった。
その他事業
顧客の受注センターの業務請負スタートと、燃料販売の販売価格上昇と販売数量の増加、車両販売の営業拡大による販売台数増加による収入の伸長があったものの、利益面では、共同購買による仕入コスト上昇の影響をうけ減益となった。
この結果、その他事業収益は、54億76百万円と前年同期に比べ18億19百万円(49.8%増)の増収となり、営業利益は1億37百万円と前年同期に比べ10百万円(7.3%減)の減益となった。
通期の見通し
下期のわが国経済は、個人消費が持ち直していることに加え、生産と輸出の回復に牽引され踊り場からの脱却が期待されている反面、原油市場価格上昇の燃料価格への波及が予想され、予断を許さない状況が続くものと思われる。
このような状況のなか、同社グループは、最適な物流を提案するアセット型3PLの営業の強化をはかり、スルー事業のシステムリニューアルによる売上増強に努めるとともに、車両コントロール強化等の業務効率化によるコスト低減を推進する。
また、通期の見通しは、既存顧客の領域拡大と新規顧客の獲得も計画に沿って進捗しており、営業収益は1,243億円と前年同期比30億12百万円の増収を見込んでいる。
利益面は、立上および再編の平静化と業務効率化によるコスト低減の寄与もあり、営業利益38億80百万円と前年同期比1億48百万円増、経常利益37億50百万円と前年同期比1億68百万円増、当期純利益16億30百万円と前年同期比18百万円増とそれぞれ増益を見込んでいる。