川崎汽船は4月4日、欧州のグループ会社を通じ、ドイツ重量物輸送専業船社SALグループのシェアの50%を購入し、2011年6月末を以って全シェアを買取り、完全子会社化することで、パートナーと基本合意に達したと発表した。
完全子会社化後も、SALグループの社名、本社所在地は変更せず、従業員も全員雇用を継続する。また、現パートナーの1人であるLars Rolner氏に新会社のCEOを委嘱。重量物船業界での高いブランド力と現地経営陣及び従業員の豊富な経験と知識を活かし、重量物船事業を同社のコア事業に発展させていく方針だ。
<SALの「ANNE-SOFIE」号>
SALグループは、Heinrich Familyにより1865年に創設され、第一船“Amoenitas”がドイツのSietas造船所にて竣工して以来、長年重量物船事業を行っている歴史のある会社。全世界に120余名の社員、ドイツ人船員約100名とフィリピン人船員約400名を抱え、営業・運航・船舶管理を全て自社グループで行っている。
現在16隻の重量物船を保有・運航し、その船隊は、高いクレーン能力(SWL:600トン~2000トン)と重量物運搬船としては最速の約20ノットという航海速力を有している。また、高い環境基準を満たしており、重量物輸送専業船社として初めて、HSE(Health, Safety and Environment)の資格(OHASAS18001、ISO14001)を取得している。