川崎汽船は5月15日、国税不服審判所に不服申立て(審査請求)を行ってきたが、国税不服審判所の裁決(12月14日付)で主張が認められ、重加算税を含めた法人税額約6億円が還付されたと発表した。
不服申立ては、2005年3月期から2009年3月期までの事業年度に関して大阪国税局から受けた更正処分に対して、国税不服審判所に不服申立て(審査請求)を行ってきたもの。
取り消された重加算税の賦課決定処分は、船舶の契約価格の再交渉に係るもので、同社の子会社が造船所と船舶の建造契約を締結した後に、造船所側から、契約時点での予測を超えた鋼材価格の著しい高騰という経済情勢を背景に船舶の価格の値上げを要請されたため、再度の交渉を経て契約価格の見直しを合意。
しかし、当局は当該合意が仮装だとして、当初の契約価格と見直し後の価格の差額を否認し、課税所得の計算に誤りがあるとしたもの。
同社は、造船所から船舶価格の値上げを要請されて契約価格の見直しを合意したのは事実であり、当該合意が仮装だとした当局の事実認定は根拠を欠いた誤ったものであり、従って重加算税の賦課も根拠がないと主張。国税不服審判所に審査請求を行い、今回の裁決に至ったもの。