スウェーデンのIT企業、テレノールコネクションは5月30日、本社から副社長を招いて今後のM2M市場の見通しについて発表した。
<フレデリック・リジェストロム副社長>
M2M(マシントゥマシン)市場での組み込みコネクティビティ展開は欧米で進んでおり、次いで日本を含むアジア市場が伸張している。グローバルな伸長率が年率25%~30%なのに対し、日本では50%以上の伸びを見せている。
同社フレデリック・リジェストロム副社長は「数字は公表できないが、日本市場は昨年大きく伸び、今年も大きな期待をしている。戦略としては、すべての業種がターゲットだ。アセットマネジメントも製造業も問わない。1つのSIMですべてのネットワークに接続可能、機器間において、まさに世界がカバーできることを訴えていきたい」と語った。
同社が行っているのはテレマティクス通信分野での機器間の組み込みコネクティビィティ。携帯電話などに使われているSIMカード(GSMやW-CDMA)の変更で、世界中の機器間で様々な用途に利用できるソリューションだ。
たとえば自動車では、AT&T、エヌ・ティ・ティ・ドコモと協力し、日産自動車リーフのICTシステムに採用。乗車中にナビゲーション画面で乗員といつでもつながるドライビングサポート機能を提供するだけでなく、乗車前・降車後にもスマートフォンを含む携帯電話やパソコンなどからオーナー向けウェブサイトにアクセスすることにより、EV運転履歴およびバッテリー状態管理、充電およびエアコンの遠隔操作やエネルギーマネージメント対応など、EVならではの機能を実現した。
日本では、他に日立建機の大型建設用機器に組み込み、機器の指定範囲以外での使用を管理するなどモニタリングやセキュリティ面などに利用している。
なお、テレノールコネクションは世界第5位の通信事業者テレノールグループの一員。