グローバル・ロジスティクス・プロパティーズ(GLP)と三井不動産は1月27日、千葉県市川市に「GLP・MFLP市川塩浜」を竣工した。
「GLP・MFLP市川塩浜」はGLPと三井不動産両社が共同出資(出資は両社50%ずつ)する特定目的会社が建設を進めていたもので、延床面積12万2000㎡、5階建てのマルチテナント型の大型物流施設。開発費用は約200億円。
楽天が1、2階合計約4万2000㎡の入居を決めており、楽天グループの関東地域での物流拠点の一つとして利用する。
首都高速湾岸線千鳥町ICに至近で、JR京葉線市川塩浜駅徒歩圏に位置し、東京都心部への交通アクセスも良く、近辺には物流施設の施設が多数終結している。
2015年度には、東京外郭環状道路高谷JCTが新たに開通する予定で、首都圏へのアクセスは一層向上することになる。
<左からGLPの帖佐社長、三井不動産の石神商業施設本部長、三井不動産の三木ロジスティクス事業部長>
土地を所有していた三井不動産がGLPに開発の提案をしたことが始まりで、三井不動産の石神裕之商業施設本部長は「共同で開発することで、我々が後発だった物流施設に関していろいろ勉強させてもらった。その半面、三井不動産の持つ豊富な顧客情報や土地取得、テナント獲得などで協力しあうことができた」と説明した。
GLPの帖佐義之社長は、他社との差別化を「環境負荷低減と働く人の安全と快適性」の2点を挙げ、環境負荷低減では「CASBEE」Aを取得、また、免震構造とプレキャストコンクリートを採用したことで、建設工事の合理化と長寿命化(通常倉庫は約50年、GLP・MFLP市川塩浜は100年)を可能にした。「安全性と快適性は、働く人にも荷物にも有意義。快適性は仕事上のさまざまなミスを減らすことにもつながり、生産性のアップにもつながる」と述べた。
立地が東京湾沿岸だけにに、液状化対策のため、土壌改良のほか、柱を通常より深くしたという。高潮、津波等の水害への対応として、バース床レベルや1階フロアレベルを高めに設定。井戸を掘り、断水・停電時にもトイレの使用ができ、停電時でも防災センター、事務所エリアの照明、コンセントの利用が可能となるバックアップ電源設備も採用している。
■施設概要
施設名称:GLP・MFLP市川塩浜
所在地:千葉県市川市塩浜1-6-2、3
敷地面積:5万2921.29㎡
延床面積:12万1966.50㎡
構造:地上5階建て、プレキャストコンクリート造
着工:2012年12月
竣工:2014年1月24日