インドのロボットベンチャー企業GreyOrangeは1月27日、日本のクラウド型物流プラットフォームを創造するGROUNDとの間で資本業務提携を行い、日本に進出すると発表した。
GreyOrangeの自動搬送ロボット「バトラー」の日本市場における販売をGROUNDが行い、GreyOrangeの2名がGROUNDの取締役として参画する。
GROUNDは、元楽天物流の社長だった宮田啓友氏が設立し、最先端のロボット工学と人工知能技術によって物流オペレーションの最適化を実現する「Intelligent Logistics」の創造を目指している。
<左からアビームコンサルティングの赤石朗氏、GROUNDの宮田社長、GreyOrangeのサメイ コーリーCEO、元ソニー社長の出井伸之氏>
なお、 元ソニー社長の出井伸之氏がGROUNDの顧問・株主として全面的にバックアップする。
宮田社長は、「Eコマース業界での作業者の手元に商品を届けるピッキングシステムが広まる中、GreyOrangeが開発したバトラーの日本市場でのポテンシャルは非常に高いと期待している。日本に根付く労働集約型の物流オペレーションを”Intelligent Logistics”というクラウド型物流プラットフォームにおけるオペレーションに変えていく事によって、革新的な生産性向上をもたらすことができると考えている」と説明している。
GROUNDは、アビームコンサルティングとも提携し、3300m2以上の規模での物流施設、年商50億円以上のECを中心とした企業、3PL企業での利用を見込んでいる。
日本では、すでにEコマースシステムサービスプロバイダーのダイアモンドヘッドからの受注を獲得しており、2016年の第1四半期には導入が完了する予定。
<バトラーの利用イメージ>
「バトラー」システムは、最先端技術を駆使したピッキングシステム。自動搬送ロボットにより、倉庫内の棚をピッカーへ移動させることで、倉庫内の作業者がピッキングのために歩く時間を省くことができ、ピッカー1人に対し、1時間最低360アイテムをピックできる。さらに、システムがオーダーパターンに適応すれば最大700アイテムをピックすることが可能という。
GreyOrangeの国際部門ヴァイス・プレジデントのJジェームズ・チェン氏は「グローバル化を進める中で、日本は非常に重要な市場であると考えている。高い労働コストと少子高齢化の状況を見据えると、日本における倉庫自動化機器の市場は成長市場とも言える。オーダー対応能力の向上を図るためには、物流事業者やEコマース事業者はデータ・ドリブンかつ自動化された作業者の手元に商品を届けるピッキングシステム』のアプローチを駆使する必要がある」と述べている
GreyOrangeは、2011年にインドのグルガオンで設立し、倉庫自動化に特化したロボット開発会社。
ロボット工学とソフトウェアエンジニアリングを駆使し、倉庫内作業の非効率性を改善し、3PL事業者、イン・ハウスの倉庫オペレーションを行う事業者にサービスを提供している。
現在は従業員350名、インドの9つの州で活動を行っており、その州内で90%のソーター市場を占めているという。
2015年には、グローバル化を進める一環としてシンガポールにアジア・パシフィックの本拠地を置き、香港には支社を構えた。
■GreyOrange Pte Ltd
営業窓口
担当:James Chan
+65 91596604
james.c@greyorange.com
ヴァイス・プレジデント(国際部門)
http://www.greyorange.com/