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荏原製作所/ヤマト運輸との訴訟で東京高裁に控訴

2016年05月17日/物流施設

荏原製作所は5月17日、ヤマト運輸との間の訴訟の第1審判決について、5月17日に東京高等裁判所に控訴を提起したと発表した。

第1審判決の内容は、ヤマト運輸の荏原製作所に対する85億509万5193円及びこれに対する年6分の遅延損害金の請求のうち、その一部である56億1812万4016円とこれに対する年6分の遅延損害金の支払を荏原製作所に命じ、ヤマト運輸のその余の請求を棄却した。

この判決では、物流ターミナルの建設工事で掘削予定であった土壌に建材の破片である石綿含有スレート片が混入していることは土地売買契約の瑕疵に当たるとして、これを産業廃棄物として処理した費用を損害として認める一方、同工事で掘削をする予定のなかった土壌に石綿含有スレート片が混入していたとしても土地売買契約の瑕疵に当たるとはいえないとして、当該土壌を産業廃棄物として処理した費用につき、損害と認めず、その他の追加費用や逸失利益についても掘削予定であった土壌の量の割合の限度で損害として認め、ヤマト運輸の請求の一部を棄却している。

しかし、4月28日付け「訴訟の判決及び特別損失計上に関するお知らせ」の内容のとおり、この判決が確定すれば、建設現場や残土置き場の土砂を埋め戻し用の土砂として使用することが困難になり、無用な自然の山林の掘削が助長されること、現在行われている建設実務が否定され都市開発に多大な影響を及ぼすことが懸念される。

本件土地に石綿含有スレート片が大量に万遍なく存在していたという事実はなく、むしろ東京都心の代表的な公園の方が本件土地よりも石綿含有スレート片が存在する割合が高いこと等から、荏原製作所の利益に加え、その社会的影響を考慮し、控訴したとしている。

荏原製作所は、控訴審においても、ヤマト運輸の請求金額が全部棄却されるよう、引続き求めていく予定。なお、この控訴の提起が荏原製作所の業績に与える影響は現時点ではないとしている。

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