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和歌山電鐵、ヤマト運輸/鉄道で宅急便を輸送する客貨混載を開始

2018年02月05日/3PL・物流企業

和歌山電鐵とヤマト運輸は2月16日から、ローカル電車の路線網維持と物流の効率化による地域住民の生活サービス向上を目的として、貴志川線の田中口駅~神前駅間の電車で宅急便を輸送する「客貨混載」を開始する。

<運用フロー図>
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取り組みの内容は、これまでヤマト運輸が宅急便センターから神前地域にトラックで輸送、配達していた宅急便を、貴志川線を利用して輸送し、リヤカー付き電動自転車で配達する。

ヤマト運輸の社員2名が、和歌山太田センターで荷物を集配コンテナに積み込み、田中口駅へ向かう。集配コンテナを電車に固定し、社員も電車に乗り込み7時15分に出発する。神前駅到着後は神前地域に向かい、集配コンテナと自転車をドッキングし、リヤカー付き電動自転車で集配を開始する。

「客貨混載」によるメリットは、地域の顧客には、貴志川線の路線網が維持され、安定的に利用できることで、通学や通院など生活基盤の維持・向上につながる。また、神前地区での配達開始時刻が3時間早まるため、在宅時に荷物を受け取りやすくなる。

和歌山電鐵には、電車の空きスペースで宅急便を輸送することで、電車の路線網維持につながる新たな収入源を確保することができる。

ヤマト運輸には神前地区は住宅が密集しているため、リヤカー付き電動自転車を利用することで安全性が高まるとともに集配効率が上がる。そして、配達開始時間がこれまでの11時から8時に繰り上がるため、サービス品質の向上と再配達削減による労働環境の改善が見込める。トラックの走行距離が削減されるため、燃料費やCO2排出量の削減にもつながる。

なお、和歌山電鐵は、ネコを助けるために駅長とした「たま駅長」で有名になるとともに、乗って楽しい電車を目指した車両の改装やイベント実施を行っている。「鉄道自らが観光資源」となり、観光客の誘致を行うなど、路線の維持や地域活性化に取り組んでいる。

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