ヤマト運輸と九州産交バスは3月17日、阿蘇くまもと空港の新旅客ターミナルビル開業にあわせ、路線バスを活用した客貨混載により、同空港から熊本市と阿蘇市の宿泊施設に当日中に観光客の手荷物を配送する「手ぶら観光サービス」の実証実験を、3月23日から開始すると発表した。実証期間は同月30日まで。
客貨混載とは、バス・鉄道路線網の維持と物流の効率化による地域住民の生活サービス向上を目的に、バス・鉄道などの空きスペースに宅急便などを載せ輸送する取り組み。
サービス利用者は、当日の13時までに阿蘇くまもと空港の新旅客ターミナルビル内にあるヤマト運輸の「阿蘇くまもと空港手荷物宅配カウンター」で、送り状に宿泊施設の情報を記入し、手荷物を預ける。手荷物は宿泊施設ごとに仕分けされ、九州産交バスが運行する空港リムジンバスもしくは都市間バスに積み込まれ、熊本市内の桜町バスターミナル、もしくはJR阿蘇駅へ輸送される。到着後は併設されている一時保管場所へ移動する。
保管された手荷物をヤマト運輸のスタッフが集配車両に積み替え、利用者が宿泊予定の宿泊施設に配送する。料金は60サイズ (2kgまで/60㎝以内)830円~200サイズ(30㎏まで/200㎝以内)2740円(税込み)。
九州産交バスは、バス運行事業と熊本県の特産品を輸送する客貨混載事業を展開している。また、客貨混載で輸送した特産品を販売する「マルシェ」を開催するなど、地域住民や生産者の方々と連携した取り組みを進めている。
ヤマト運輸は、地域活性化に向けた新たな物流サービスの開発に取り組んでおり、同社グループの経営資源を活用し、全国の自治体や観光協会と連携した手荷物の当日配達や一時預かりなど「手ぶら観光」の取り組みを進め、顧客の観光支援を行ってる。
今回、「もっと、手ぶらで快適に熊本の観光を楽しんでいただきたい」という両社の想いが合致したことから、同実証実験を開始する。両社は、地域活性化の取り組みや物流ネットワークの構築を通じて、顧客のより便利で快適な観光の実現、熊本県の観光振興に寄与していくとしている。