ヤマト運輸、根室交通、くしろバスの3社は6月2日、根室―釧路間(釧路線)で根室交通とくしろバスが共同運行する都市間バス「ねむろ号」を活用し、ヤマト運輸の宅急便を輸送する客貨混載の本格運行を開始した。
過疎地域での交通・物流インフラの維持が課題となるなか、各社のリソースを活用することで、持続可能な地域社会の実現を目指す。
<貨客混載のイメージ>
輸送ルートはまず、ヤマト運輸釧路西営業所に到着した厚岸郡厚岸町行きの荷物を、ヤマト運輸のセールスドライバーがくしろバス本社(釧路市)まで輸送し、「ねむろ号」のトランクルームに積み込む。その後、根室交通のドライバーが厚岸町まで輸送し、ヤマト運輸の厚岸営業所と、「ねむろ号」の停留所「茶内」で、ヤマト運輸のセールスドライバーに荷物を引き渡すという流れ。
バスの運行ルートに近いヤマト運輸の営業所にバスが立ち寄るため、セールスドライバーとの時間調整が不要で、バスの運行ダイヤへの影響を抑えられることが特長だ。
またバスの大容量トランクルームを貸切利用するため、複数種類(常温・冷蔵・冷凍・お買い物便)のコンテナを効率的に積載することができる。
根室交通・くしろバス両社にとっては、新たな収入源を安定的に確保することができ、ヤマト運輸側にとっても安定的な輸送力の確保と一部荷物の配送リードタイム短縮にもつながるという。
この取組み2025年4月1日から実証運行をしており、「ねむろ号」(根室-釧路線)間の平日便を対象に実施している。
北海道のなかでも広大な道東地域では、人口減少により鉄道やバスの減便や廃線が進んでいるなか、釧路線は根室市民にとって、通院などの観点からも存続が望まれており、北海道庁や根室市などからの支援と、運行本数の減便により運行を継続している。
ヤマト運輸 齊藤 公平 道東主管支店長は、 「持続可能な運行に向けて、今後も市民の皆さまの豊かな社会の実現に貢献していきたい」とコメントしている。
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