商船三井は7月20日、商船三井と中国遠洋海運集団の合弁会社が保有するロシア・ヤマルLNGプロジェクト向け砕氷LNG船「VLADIMIR RUSANOV」が、7月17日に中国江蘇如東港LNGターミナルに初入港したと発表した。
今年3月下旬から、ロシア・ヤマル半島サベッタ港にあるヤマルLNG出荷基地からのLNG輸送に従事している。
サベッタ港を6月25日に出帆し、砕氷船の先導に頼らずに単独で北極海航路を初めて東側に航行し、7月6日にベーリング海峡を通過後、7月17日に中国江蘇如東港に初入港した。
サベッタ港から中国江蘇如東港までの航海日数は、時間調整を除き19日となった。これは1か月以上を要する従来のスエズ運河経由に比べて大幅に航海日数を短縮したことになる。ヤマルLNG基地から出荷されるカーゴが直接中国向けに輸送されることは初めてとなる。
なお、中国では、近年の環境問題への意識の高まりから、クリーンなエネルギーであるLNGに注目が集まっており、2017年の中国LNG輸入実績は前年比46%増の3813万トンに到達し、韓国を抜いてLNG輸入世界第2位となっている。
2018年には輸入量が、5000万トン弱にまで到達する可能性もあり、引き続きLNG需要は大きく拡大することが予測されている。