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鴻池運輸、ZMP/成田空港の制限区域内、自動走行実験開始

2018年12月17日/IT・機器

鴻池運輸、ZMPは成田国際空港が運営する成田国際空港制限区域内で12月17日~19日、自動走行車両の実証実験を開始した。

<実証実験中の自動走行車両>
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<自動走行車両の運転席。ドライバーはハンドルに手を添えているだけ>
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この実験は、国土交通省交通局が今年6月26日から公募した「空港の制限区域内の自動走行に係る実証実験 実証実験実施者」に鴻池運輸とZMPが共同で応募し選定されたもので、成田国際空港の協力の下、準備を進めていたもの。

KONOIKEグループの日本空港サービス(JASCO)の作業スタッフの空港内移動を、ZMPが提供する自動運転実験車両で実施、空港制限域内という一般道路と周辺状況や走行ルートが異なる環境下で、自動運転技術実装に向けた検証と課題の抽出を行うもの。

国土交通省と3社は、インバウンド需要の高まりなどによる、来日観光客の増大による需要増とともに、深刻化する空港の地上支援業務の労働力不足に対応するため、空港の制限区域内において、乗客・上院の輸送を想定した自動走行車両の実証実験を促進している。

最初の実証実験となった17日の10時、小雨の降る中実証実験がスタートした。実証実験ルートは、第1ターミナルから第2ターミナルまでの往復2㎞を3往復する。速度は15㎞/hで、第1ターミナルから第2ターミナルに渡る陸橋は30㎞/hとしている。

自動運転時はドライバーと自動運転技術を持つオペレーターが同乗。乗車する車は、自動運転タクシーでも実績のあるエスティマベースの自動運転車両を仕様する。安全性を期すため、オーバーライド機能(自動運転中にドライバーがステアリングやペダルを操作する)や緊急停止ボタンを搭載している。

実証実験の場となったスタート箇所は空港内の特殊車両のトーイングトラクターやコンテナ車も通り、すぐ横には駐車場もある複雑な場所。実験はトーイングトラクターに追随して自動運転走行するパターンと、自動運転車両のみの走行の2パターンで行われた。

今後、実証実験で得たデータをもとに、分析・解析を進めていくが、実証実験の実施者である鴻池運輸は統括を、ZMPは自動運転技術の提供が役割となる。また、成田国際空港と日本空港サービスはその支援となっている。

<左が鴻池運輸の鴻池社長、右がZMPの谷口社長>
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実証実験に先立ち、鴻池運輸の鴻池忠彦社長は「KONOIKEグループは空港事業を1994年から始めたが、現在では関空、羽田、成田、福岡、伊丹、神戸の6空港まで拡大し、ノンエアライン系企業では最多となっている。航空貨物の扱いから、旅客カウンター業務まで、多様なサービスを行っている。さらに、このグランドハンドリング事業を拡大するには、課題は人不足だ。航空ビジネス専門学校を成田に開校し人材育成に努めているが、それとともに、自動化をさらに加速しなければならないと感じている。その一環としての取り組みがZMPとの自動走行車両の開発・運用だ」と述べた。

ZMPの谷口恒社長は「自動運転車両の開発は古くから行っており、2008年が最初、その後2014年から公道での許可が下り、2017年からは遠隔操作の無人自動運転車両を開発。そして、最近では世界初となる緑ナンバーの自動運転タクシーを日の丸交通ととともに、合計500㎞にわたって営業試験を行った。今回、空港の制限区域内での自動運転走行では、一般の公道とは違い、空港内の特殊車両や交通ルール違いがある。今後、実証実験の結果を踏まえ、空港の革新に貢献できればと思っている。そして、その先には貨物の搬送や自動運転トラックの開発も見据えている」と話した。

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