帝国データバンク(TDB)は7月3日、全国2万6237社を対象とした2025年6月の国内景気動向を調査・集計、発表した。
それによると、2025年6月の景気DIは前月比0.1ポイント増の42.7となり、小幅ながら6か月ぶりに改善した。
国内景気は、物価上昇により個人消費が低迷したものの、エアコンや医薬品、化粧品など季節需要の先取りがみられ、わずかながらも今年に入って初めて上向いた。
6月は、気温の上昇によりエアコンや医薬品、化粧品などの季節需要がプラス要因となったほか、半導体関連も引き続き堅調だった。一方で、コメ価格の高止まりや物価上昇が個人向けサービスを抑制する要因となり、中東問題による原油価格の動向やトランプ関税の不透明感も重荷となった。また、訪日客数は好調であったが、円高などの影響で消費額に頭打ちがみられた。
今後の国内景気は、不確実性の高まりのなかで、当面弱含みで推移するとみられる。
業界別では、『製造』など5業界で改善、『運輸・倉庫』など4業界で悪化、『建設』は横ばいとなった。
急激な気温上昇のなか、エアコン需要や飲酒機会増加など季節需要の先取りはプラスに作用。また『農・林・水産』は好調を維持し景況感を押し上げた。他方で、仕入価格の高止まりや物価上昇は企業収益に悪材料だったほか、トランプ関税や中東情勢に対する不透明感も重荷となった。
「運輸・倉庫」では42.3となり前月比0.5ポイント減、2か月ぶりに悪化した。「人件費や燃料、車両、整備費の上昇分に運賃相場が追いついていない」(一般貨物自動車運送)といった声が聞かれたほか、建設などの低迷は物流の停滞につながった。加えて、中東情勢による原油価格の動向なども下押し要因となった。
TDB景気動向調査/運輸・倉庫2か月ぶりに悪化 トランプ関税の影響大