ANAは4月22日、日本の航空会社として初めて旅客機の客席への貨物の搭載を開始したと発表した。
客室を貨物スペースとして活用することで、従来の床下の貨物室のみに搭載する場合と比較して、最大で約1.4倍の重量の貨物の輸送が可能になる。
また、これに先駆け4月10日から、客席上部の手荷物収納スペースを活用したマスクなどの輸送も同路線において実施している。今後は、引き続き上海発羽田行きの路線で客室を貨物スペースとして活用した輸送を継続し、需要動向を踏まえながら、対象路線を拡大していく予定だ。
このほかANAは、緊急輸送品など国際貨物の輸送需要に柔軟に対応するため、保有する貨物専用機による臨時便やチャーター便の設定も拡大している。3月に86便、4月は297便を運航している。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う各国の入国制限等により、世界的に旅客便が大幅に運休・減便しており、国際航空貨物の輸送スペースが不足している。一方で、マスクや防護服、検査キットなどの医療関
連物資の輸送の需要が高まっている。
今後もANAは、国際貨物の輸送力確保に向け、新たな取り組みに挑戦するとともに、引き続き機動的な臨時便やチャーター便の設定も行い、医療関連物資などの緊急輸送のニーズに応えとしている。
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