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LIXIL/IoT宅配ボックス実証実験で再配達率が大幅減少

2020年06月24日/調査・統計

LIXILは6月24日、東京都江東区・江戸川区で進めている「IoT 宅配ボックスによる再配達削減「CO2削減×ストレスフリー」実証プロジェクト」(期間:2019年2月1日~2020年3月31日)について、 モニター調査を実施し、その結果を発表した。

< IoT宅配ボックスによる実証プロジェクト最終結果 >
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<IoT宅配ボックスによる実証プロジェクトの様子>
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2019年11月1日~2020年2月29日の調査をまとめた最終結果では、 IoT宅配ボックスの設置により再配達率が41.7%から14.9%に減少した。それにより期間中、 約178時間の宅配事業者の労働時間削減、約379kgのCO2 削減(杉の木約27本のCO2吸収量に相当)に貢献している。

このプロジェクトでは、外出先からでも配達確認や応答ができるIoT 宅配ボックスを、東京都江東区・江戸川区の戸建住宅を対象とした約100世帯に無償で設置し、再配達の削減によるCO2 の削減効果やユーザーのストレスの変化などを検証してきた。

今回はこれらの検証に加えて、宅配事業者やクリーニング店と協働で、QR コードでパスワードを取得することでユーザーの応対がなくても複数の荷物を投函できるサービスや、クリーニングの集配サービスなど、IoTを活用することで可能となる新たな社会サービスの実現性についても検証した。

モニターとなった人のアンケート調査では、「ほぼすべてのユーザーで、受け取りに関する「ストレスの改善」がみられた」「約8 割のユーザーがIoT機能について便利さを感じ、荷受け通知などIoT 機能を頻繁に使ったユーザーほど再配達削減に貢献している傾向に」「半数以上のユーザーが、節電・エコバッグの利用など環境問題を意識した行動が増えた」「QRコードを使った複数の荷物の受け取りについて、『自分で解錠する手間が省ける』など、 6割のユーザーが魅力に感じている」「クリーニング集配サービスについて、『お店に行く時間を減らせる』などサービス利用者全員が便利に感じている」という結果となった。

協力した江東区は「再配達削減によるCO2 排出削減量を分かりやすく実感できたことが、 次のステップである環境問題を意識した行動の増加に繋がった」「家庭や職場での取り組みを広げていただけることが期待できる」。

江戸川区は「「住民への環境意識の動機づけや向上に繋がったことを高く評価」「再配達削減に寄与する製品をさらに安価で便利にするなど利用者ニーズに沿ったものへと発展させ、 普及を加速していただけることに期待」。

佐川急便は「“ボタン操作がすごく簡単だった”などドライバーの 負荷軽減につながった」「セキュリティのしっかりした宅配ボックスが付いていると、 ドライバーにとっても安心」。

アクティーズは、「クリーニングがより“家での洗濯”に近づいた」「接客に厚みを持たせることで、顧客にはより安心してこのサービスを使っていただける」との声が挙がった。

LIXIL Housing Technology Japan エクステリア事業部の岩崎真也事業部長は「この活動を通じて、数々の貴重な意見をいただき今後の商品開発に役立ていくと同時に、IoT 宅配ボックスが持つ新たなサービスの可能性も検証することができた。LIXILは今後も再配達の削減に向けて、宅配ボックスの普及促進を続けていく。また、これからのニューノーマルの時代で、いかに健康で快適、安全に過ごしていくかが問われる中、非対面で安心して受け取りができるIoT 宅配ボックスをはじめ、さまざまな商品やサービスを提案していく」とコメントしている。

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