東京湾周辺で6月に入り、ヒアリの確認が相次いでいる。
川崎市では、6月19日に川崎区の事業所敷地内で、コンテナから働きアリと有翅女王アリあわせて数百匹が発見された。
このコンテナは、貨物船で6月6日に中国蛇口港を出港。11日に横浜港で陸揚げされ、19日に陸路で川崎市の事業所敷地へ搬送された後、事業者が荷下ろし中にヒアリを発見した。
川崎市内でのヒアリの確認は、これが初めての事例。発見された個体は、事業者により全て殺虫処分され、コンテナ内部についても燻蒸処理を実施している。
千葉市では、6月19日に千葉港千葉中央地区の民有桟橋に停泊中の貨物船内から、働きアリ1000匹以上のほか、有翅女王アリや卵、さなぎが発見された。
貨物船は、6月14日に中国の厦門港から鋼材を積載して出港。19日に千葉港千葉中央地区の民有桟橋へ入港し、鋼材の陸揚げを開始したところ、船倉での荷降ろし中に作業員がヒアリに刺される被害に遭った。なお、6月22日時点で、船外でヒアリは確認されていない。
東京港の青海ふ頭では、6月18日にコンテナヤードから働きアリ200個体以上が確認された。
青海ふ頭のコンテナヤードでは、昨秋にも有翅女王アリ50匹以上が発見されており、今回確認された個体は環境省による追跡調査で発見されたもの。なお、発見場所は昨年とは別の区画で、防除の効果を確認するため3月にコンテナヤード全域で行った調査では、ヒアリは確認されていなかった。
横浜港の南本牧ふ頭では、6月4~10日にかけて、コンテナ内や本牧ふ頭D突堤から働きアリ約300匹、有翅女王アリ約20匹(既に死亡)が発見された。
ヒアリは、5月25日に中国の黄埔港を出港し、31日に横浜港本牧ふ頭に入港、D突堤に陸揚げされ、6月4日に小田原市内の事業者敷地内で貨物を搬出した後、横浜港へ返却されたコンテナの中で横浜市職員によって発見された。
また、これを受けて本牧ふ頭コンテナヤードに設置したトラップの中からも、6月8日にヒアリを確認。10日に環境省、専門家、調査業者、横浜市職員が実施した本牧ふ頭D突堤での現地調査でも、土中へのヒアリの出入りが確認されている。