トヨタシステムズと富士通は9月10日、富士通の組合せ最適化問題を高速に解く量子コンピューティング技術「デジタルアニーラ」を活用し、自動車製造に必要な部品の物流ネットワークを最適化する実証を共同で行ったと発表した。
実証では、数百を超える仕入れ先から部品を仕入れ、数か所の中継倉庫を通り、数十の工場へ配送する300万以上のルートを探索する問題に対して「デジタルアニーラ」で計算し、トラック数、総走行距離、仕分け作業などを含めた物流コストの最適化を行った。
その結果、大量の最適化計算を非常に短時間で実施できることが確認でき、これによりこれまで見つけられなかった有効な物流ルートの発見、積載効率の向上、トラック数や総走行距離の効率化などにより物流に関わるコストを約2%~5%削減できる可能性があることを実証した。
今回の成果をもとに、両社は、「デジタルアニーラ」を自動車製造に関わる物流ルート計算に実適用することを目指し、さらなる検証と実用化を進めていくとしている。