船舶の設計・運航支援のシステム開発を行うNAPA Ltd(ナパ)と、日本海事協会および商船三井は3月25日、共同で開発した座礁リスク監視システムについて、座礁リスクの低減とモニタリングに寄与する有益な知見を与えることが確認され、実証試験が成功したことを受けて、包括的な航海リスク監視システムの共同開発を行うことに合意したと発表した。
座礁リスク監視システムの実証試験においては、過去の航海データを基に船舶の挙動分析を行い、実際の事故事例に対して効果検証を行った結果、座礁リスクを検知するためのアルゴリズムやアラームを発出する際のメカニズムが座礁リスクを未然に検知し早期対処を促すことで、海運業界の安全性向上に貢献することが期待できることを確認した。
座礁リスク監視システムは、NAPAの提供している船舶性能モニタリングおよび航海最適化システム「NAPA Fleet Intelligence(ナパ フリート インテリジェンス)」を基盤とし、本船位置、水深、海図情報といった多くのデータソースを組み合わせて緻密で正確なプラットフォームを構築することで、船舶情報の一元管理を可能にするもの。
さらに、船舶がリスクの高い海域へ侵入することが予測される場合には、予め設定したアラートや通知機能を用いて、船内の乗組員や陸側の運航管理者に知らせることで、船陸間の情報共有と早期対応喚起を促すことが可能となる。
今回新たに開発する航海リスク監視システムでは、気象情報も含めた航行中の予定航路周辺におけるリスク要因のモニタリングの他、錨泊中のリスクモニタリングも行うべく要素技術の開発を進めている。
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